メープル木更津 内科診療

ぽつぽつと気になったことをupしていきます。

2022年06月

これまでの帯状疱疹ワクチン『ビケン』とは別に、


帯状疱疹ワクチン『シングリックス』を導入しました。







帯状疱疹ワクチンには2種類あります



帯状疱疹(たいじょうほうしん)
とは

帯状疱疹は、水ぶくれを伴う赤い発疹が体の左右どちらかに(必ずしも帯状にではなく)出る皮膚の疾患です。強い痛みを伴うことが多く、症状は34週間続きます。

子どもの頃にかかった水痘ウイルスが体の中で長期間潜伏感染し、免疫が低下した際などに「帯状疱疹」として発症します。

日本では、80歳までに3人に1人がかかるといわれています。また、皮膚症状が治った後も、50歳以上の約2割の方が、長い間痛みが残る帯状疱疹後神経痛(PHNになる可能性があります。



ワクチンの名称

ビケン

シングリックス

ワクチンの種類

弱毒生ワクチン

不活化ワクチン

 

接種回数

1回だけ

2回(2か月後に2回目)
遅くとも6か月後までに接種する

予防効果

発症率は60歳以上で51.3%減少、

5059歳で69.8%減少

50歳以上で97.2%減少

帯状疱疹後神経痛の発症無し

持続期間

発症予防効果は統計上8

現時点で7年(追跡調査実施中)

 

副反応

接種後50.6%に副反応

接種部位の痛み、腫れ、発赤

注射部位副反応(2回接種合計)80.8

接種部位の痛み、腫れ、発赤
全身性副反応は64.8%、

筋肉痛、疲労感、頭痛

 

料金

7.700円(税込み)

23.100/1(税込み)
2回の接種が必要です



これまで当院で扱ってきたのは『ビケン』のワクチンだけでしたが、新たに↑『シングリックス』というワクチンを選べることになりました。

1回接種で済む『ビケン』に比べて、
『シングリックス』は、2回接種する必要があり、しかも(1回の)金額が高い(21.000円+税)ですが、
予防効果も高くなっています



                         メープル木更津クリニック




シングリックス



                   ↑シングリックス



喘息・治療 ―2 (配合剤・Reliever)


ICS
  + LABA
(長時間作用性β2刺激薬)


抗炎症+気管支拡張

喘息の長期管理(step 2以上)にはICS+LABA

アドエアシムビコート、フルティファーム、レルベア、アテキュラ

 

低用量

中容量

高容量

アドエア

DPI

100μg製剤

1吸入12

250μg製剤

1吸入12

500μg製剤

1吸入12

シムビコート

DPI

1吸入12

2吸入12

4吸入12

LABA
  + LAMA
(長時間作用性抗コリン薬)

気管支拡張が2種類。COPDに適応がある。

<注>COPDに対してroutineICSを使用する必要はない。COPDに対する第1選択はLAMA(スピリーバ、シーブリ等)とする(場合が多い)。単剤が不十分であればLABA+LAMAICSは喘息・COPDオーバーラップ(ACO)の場合や血中好酸球300/μL以上で用いる。

ウルティブロ、スピオルト、アノーロ、ビベスピ



■吸入器に関して
pMDIと自己吸入によるDPIがある。

pMDIpressurized Metered Dose Inhaler(加圧噴霧式定量吸入器)

ガスの圧力で薬剤を噴射する。吸入するときは、薬の噴射と薬を吸い込むタイミングを合わせる必要がある。

DPIDry Powder Inhaler(ドライパウダー定量吸入器)

粉末の薬剤を、自分で吸い込むタイプの吸入器。

高齢者・女性など吸入速度が低い場合はpMDIが適する

ICS LABA
  + LAMA


トリプル製剤。Step 34の治療に。

テリルジー、ビレーズトリ、エナジア

テリルジー

DPI

 

100μg製剤

1吸入11

100μg製剤

1吸入1日1回

又は、

200μg製剤

1吸入11

200μg製剤

1吸入11

 

 

 

 




●発作時に、メプチンエアー(10μg吸入100)メプチンスイングヘラー(10μg吸入100)サルタノールインヘラー(1回噴霧200μg100) (SABA屯用) …1回2吸入、
20分ごとに3回(1時間に計6吸入)までOK
5分以内に効果発現、20分で最大効果を発揮する。



喘息吸入 これも使いやすい









●これも載せておこう。

急な発作はメプチンで決まり!








A4横を強引に縦にしたので、少し読みにくいかも。










喘息・治療 ―1(成分とその作用)


 

特徴

単剤の主な一般名

 

β刺激薬  
カテコラミン(ドーパミン、アドレナリン、ノルアドレナリン/エピネフリン)の受容体にはαとβが存在し、βには3種類存在する。心臓にβ1受容体、気管支にはβ2受容体が分布する。

β2受容体を介する気管支拡張だけでなく、β1受容体を介する心刺激作用がある。

アドレナリン/ボスミン

エピペン

エフェドリン

β2刺激薬

【作用】気道平滑筋の弛緩、気道分泌物の排泄促進

β2選択性は高まっているが、それでもβ2受容体を介する振戦は認めうる。

【副作用】振戦、動悸、頻脈、筋攣縮、K

SABA

(短時間作用型)

β2受容体の選択性が高く心刺激作用は少ない。
増悪治療の第1選択。

【吸入】メプチンエアー、サルタノール/サルブタモール(メプチンは、吸入はSABA、内服はLABAとして使われる)

【錠剤】ベネトリン、ブリカニール

LABA

(長時間作用型)

作用が12時間以上持続し、喘息・COPDの長期管理に使用される。

【吸入】セレベント(サルメテロール)、オーキシス、オンブレス

【経口=長時間作用型】メプチン錠、ホクナリン錠、スピロペント錠

【塗布剤】ホクナリンテープ

抗コリン薬 
(副交感神経遮断薬)

【作用】迷走神経から遊離されるアセチルコリンのM3受容体活性化を阻害し気管支拡張作用を示す。

【副作用】口喝

【禁忌】閉塞隅角緑内障、排尿障害を伴う前立腺肥大

SAMA

(短時間作用型)

喘息発作の治療ではSAMASABAに比べて気管支拡張作用が弱く、第1選択ではない。

【吸入】
アトロベント・エアゾル

【略語】

短時間作用型β2刺激薬(SABAShort Acting β2 Agonist

長時間作用型β2刺激薬(LABA

短時間作用性抗コリン薬(SAMA Short-acting muscarinic antagonist

長時間作用性抗コリン薬(LAMA

LAMA

(長時間作用型)

長期管理で使用する際はICSとの併用が必須。LAMA単剤は、LABAが使用しづらい症例に有効。

【吸入】
スピリーバ、
シーブリ

エリクラ、エンクラッセ

吸入ステロイド(ICS)

【作用】炎症・気道過敏性の抑制

【副作用】嗄声、口腔・咽頭カンジダ⇒うがいせよ。

気道への炎症細胞浸潤を抑制、血管透過性亢進の抑制、粘液分泌抑制

吸入器/pMDIと自己吸入によるDPIがある。高齢者・女性など吸入速度が低い場合はpMDIが適する

パルミコート、
フルタイド、

キュバール、
オルベスコ、

アズマネックス、
アニュイティ

●急性増悪時には、脱水症の治療と並行してベタメタゾン(リンデロン)4~8mgを30分かけて点滴静注。

LTRA
(ロイコトリエン受容体拮抗薬)

気管支拡張、気道炎症抑制。

単剤でも使用可能。安全な薬剤である。

ブランルカスト(オノン)2T2

モンテルカストNa(シングレア、キプレス、モンテルカスト)T    寝る前

テオフィリン薬
(キサンチン誘導体)

【副作用】悪心・嘔吐、動悸、頻脈

気管支拡張作用、粘液線毛輸送能の促進、抗炎症作用。その他の治療で効果不十分な場合の追加使用が推奨されている

【経口】テオドール錠/テオロング錠/テオフィリン徐放錠・カプセル

ネオフィリン(アミノフィリン)錠/注 
            

●急性増悪時には、補液・リンデロン投与と並行してアミノフィリン250㎎を1時間で投与する(すでに経口テオフィリン薬を内服している場合は125㎎位まで)

 


喘息治療薬 吸入の一覧、わかりやすい




●これもついでに。






喘息の症状と治療のstep

喘息の治療ステップ これが分かりやすい




治療しても「週1回以上発作あり」「年1回以上増悪受診・救急受診あり」なら「コントロール不十分」。



 

喘息治療のstep

 

Step 1

Step 2

Step 3

Step 4

基本の治療

吸入ステロイド(低用量)

吸入ステロイド(低用量)

或いは、配合剤*

配合剤**
或いは

吸入ステロイド(中容量)

配合剤**
或いは

吸入ステロイド(高容量)



上記で不十分な場合など

上記が使用できない場合、以下のいずれかを使用する。

 

LTRA

テオフィリン徐放性剤

上記で不十分の場合、以下のいずれかを併用する。

 

LABA

(配合剤も使用可)

LTRA

テオフィリン

上記に、下記のいずれか1剤、あるいは複数を併用する。

 

LABALAMA

(配合剤も使用可)

LTRA

テオフィリン

下記の複数を併用する。

 

LABALAMA

 (配合剤も使用可)

LTRA

テオフィリン

経口ステロイド

IgE抗体


追加治療


LTRA
以外の抗アレルギー薬


増悪時の治療


SABA
(メプチン)


SABA

シムビコート使用時にはそれを増悪時に使用可。


SABA


●配合剤 
(1)Step 2で使用する配合剤*は、アドエアシムビコートICS+LABA


(2)Step 3・4で使用する配合剤**は、テリルジーICS+LABA+LAMA=『トリプル製剤』)

LTRA =オノン(ブランルカスト)、シングレア/キプレス(モンテルカスト

SABA =メプチンサルタノール1回1~2吸入を20分間隔で3回まで(計1時間に6回まで)







<解説>

軽い喘息が月
1回未満しか生じないなら、
長期管理薬不要で屯用の
SABAのみ。
1回以上発作が出る場合の長期管理にはICS吸入だが、
吸入が難しいか吸入による副作用が懸念される場合にLTRAで代用できる(Step 1)
1回以上ならICSLABA低用量、±LTRA・テオフィリン(Step 2)発作がほぼ毎日なら、ICS中~高容量+LABA併用、±LAMA(『トリプル製剤』も可能)LTRA・テオフィリン(Step 3)


■未治療患者・治療中断者
(入院不要例)の治療導入期には、中等量ICS/LABA、±LTRAで開始し、その後再評価してstep up/downする。











●治療方針をはっきりさせると、こんな感じ。
これに従って治療するだけ。

秘技があるわけではない。


































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