■腎臓の働き
腎臓の代表的な機能は、血液中の老廃物胃や余分な水分を、尿として体の外に出すことです。
腎臓の外表面に近い部分には腎臓の機能をつかさどるネフロンが集まっており、1個の腎臓に約100万個存在します。ネフロンは毛細血管の塊である糸球体とそれを包むボーマン嚢、ボーマン嚢から続く尿細管からできています。心臓から送り出された血液が腎臓に運ばれると、糸球体部分で血液は濾過されます。
高血圧や糖尿病は血管にダメージを与えて弱くするため
(高血糖状態が直接血管内皮細胞を障害するのか、或いはインスリンが障害するのかはまだ明らかではないですが)、
毛細血管の塊である糸球体は高血圧や糖尿病のコントロールが悪いと、
ボロボロになって破壊され、
その結果、タンパク尿がでるようになり、
ついには糸球体がつぶれます。
糸球体がつぶれると、
老廃物や余分な水分は体外に出せなくなります。
糖尿病による高血糖状態が長く続くと、
大抵は途中から高血圧も合併し、
腎臓の血管が障害され、
その働きが徐々に低下していき、
これを放置していると最終的には腎臓がほとんど働かなくなって『腎不全』→『透析治療』となります。
透析患者数は2016年末で32万9.609人 |
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糖尿病・高血圧患者さんが腎機能障害を合併すると問題なのが、心血管病のリスクの上昇です。
腎疾患の原因が糖尿病の方は、通常の腎臓病(糸球体腎炎など)の方より、心筋梗塞や脳梗塞などに罹患するリスクが6倍、高血圧の方は3-4倍高くなります。腎機能障害が進み腎不全となっても、透析を行えば通常の生活を営むことが可能ですが、心筋梗塞や脳梗塞になってしまうと、生命に危険が及ぶだけでなく、その後寝たきりになってしまう可能性もあります。高血圧・糖尿病の方が腎臓を守らなければならないのは、透析にならないためだけでなく、心血管病を予防するためでもあるのです。
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