橋本病(慢性甲状腺炎)



 甲状腺機能低下症の代表が橋本病です。
 甲状腺機能低下症は、甲状腺ホルモンの量が不足して、
新陳代謝が低下して全身が老けていくような症状がみられます。

 【症状】
無気力で頭の働きが鈍くなり、
忘れっぽく(ひどくなると認知症の原因の1つに)、
寒がりで皮膚も乾燥してカサカサになり、
声がれ、
体全体のむくみ(体重増加)、
脱毛、眠気がありボーッとして活動的でなくなります
(その他に、便秘、筋力低下、易疲労感、月経不順、月経過多、コレステロール上昇⇒動脈硬化)。

内科+婦人科を診療するこちらの立場としては、
甲状腺機能亢進症とともに、
月経に対する影響に注目しています。

また、薄毛の原因としても重要です。




橋本病  -1





【原因】橋本病は自己免疫疾患の1つで、甲状腺を異物とみなして甲状腺に対する自己抗体(抗サイログロブリン抗体TgAb、抗甲状腺ペルオキシダーゼTPOAb)が甲状腺だけを破壊して、徐々に甲状腺機能低下症になります。
 しかし、橋本病と診断されても、甲状腺機能低下症を伴うのは約10%、軽度の低下症で症状がない人が約20%、残りの70%は機能が正常です。

 

【治療】
 甲状腺機能が正常であれば体に影響がないので、薬は必要ありません

甲状腺機能低下症がある場合は、適切な量の甲状腺ホルモン薬(商品名:チラーヂンS)を少量から開始します(長期間の治療が必要です)。





【注意】ヨウ素を多く含む昆布やイソジンガーグル液のうがいは、一部の人や橋本病の人には甲状腺機能低下を助長させるので、普通以上に摂取するのはやめましょう。


  
                             メープル木更津クリニック