メープル木更津 内科診療

ぽつぽつと気になったことをupしていきます。

診療の概要を説明しております。

初出は2024.7/31




これはある地方議員の投稿。



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あれ?
これは粉瘤じゃないだろ。



■切開してから「粉瘤じゃないね」は駄目です。
医師の立場から見たところ、
コレは粉瘤じゃないし。
切開したため癌細胞が血流に乗って全身に散らばったはず。
ヤバいですね。
あなたの人生を変えたかもしれない。



■もう一点。
整形外科医が扱う症例ではない。
皮下の疾患なのだから皮膚科医が扱う症例です。
専門でもない整形外科医が切開した事自体、
間違いでした。
まともな皮膚科医なら、
慎重を期してその場で切開などしなかったのでは?




■友人が「粉瘤じゃない?」と言ったのをあなたが信じたこと、
皮膚科でなく整形外科医に受診したこと、
分かりもしないのに整形外科医が切開したこと、
どこかが違っていれば。



■「この癌の恐ろしいところは、初期転移がとても多くリンパにも転移しやすい、
また抗がん剤や放射線治療に効果はほとんど期待出来ないところです。」

最初に受診したクリニックが(気が利いた)皮膚科なら、
この手の皮膚疾患が意外なくらい怖い病気かを知っていたはずで、
その場で安易に切開しなかったでしょう。





●この患者はがんセンターに紹介されたが、
がんセンターの医師が(自分で新たに切除・検体摘出せずに)前医の整形外科医が切除した検体をわざわざ取り寄せたのは、
これ以上切開しない方がいいから。
つまり、
切開するたびに血流にのって癌細胞がばらまかれるのを心配しているからである。

最初に戻って、
皮膚科専門医でもない整形外科医が、
皮膚を切除したのは良くなかった。


たまに聞くんだ。
大体が整形外科医だが、
よく考えずに外来で切除して、病理に提出したら癌と判明して、
あわててがんセンターに紹介する事例を。
がんセンターの医師は、必ず初回治療を残念に思っている。
「もっと早く(切開する前に)紹介してくれていたら…」

皮膚科医も色々いるから、
この患者の皮膚を見て癌の可能性に気が付かない気が利かない皮膚科医がいるかも。
医学部を出て皮膚科医として働き始めて、
大学病院である程度長く修業しないと、
「開業医から紹介された事例でこんな失敗があった」「こうしてはいけなかった」という失敗事例が身につかない。

修行もそこそこに開業する奴がたくさんいるが、
よほど注意しないと患者に不利益をもたらすかもしれない。
外来ではとにかく注意深く。
そして早めに手放す。
また過去の失敗事例(訴訟に発展した例など)をよく調べておくようにすべきだ。





























●転移しない事を祈る。





























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(T_T)




(1)生活習慣病(*)の内服薬処方を希望される方へ

 
当院では、     (*)生活習慣病=高血圧、糖尿病、脂質異常症


①処方は1か月分です。


②2回目の受診より生活習慣病1を算定し、

4カ月ごとに指導して書類を交付します。


③検査
(採血・尿検査)は概ね3~4カ月ごとです。

数値が落ち着かない間は1~2カ月で検査することがあります。


(2)睡眠薬・抗精神病薬の取りあえずの処方を希望される方へ


  ①必ず30日分までの処方となります。


  ②当院では、前医の処方を継続するだけです。


  ③必ず直近のお薬手帳
(または前医の処方がわかる書類)を持参して下さい(無いと処方できません)。
     
        次回からは前医に戻って処方して貰うことを勧めます。












 

STD検査

 

 

検査方法

 

クラミジア・淋菌

<女性>帯下の悪臭、膣炎、尿道炎、性交時痛

 <男性>尿道炎、排尿時痛、陰茎から泡状の分泌物

 

うがい

<女性>子宮頚管ぬぐい

保険診療

ウレアプラズマ 

尿道炎
  (骨盤腹膜炎?)

 

初尿

咽頭ぬぐい

<女性>子宮頚管ぬぐい

(×うがい液)

自費・4.950円(税込)

トリコモナス+マイコプラズマ・ジェニタリウム

<女性>子宮頸管炎、尿道炎、骨盤内炎症性疾患

<男性>清掃上体炎、尿道炎、骨盤内炎症性疾患

 

初尿

<女性>子宮頚管ぬぐい

(×うがい液、咽頭ぬぐい)

自費・6.600円(税込)

 




泌尿器科医は「非クラミジア性非淋菌性尿道炎」の原因菌として、マイコプラズマとウレアプラズマに注目します。


当院は内科婦人科なので、尿道炎疑いとして来院する患者はほぼいません。
下腹部痛で原因検索する際に、
診察ではまずクラミジア・淋菌を調べ、両方とも陰性なら更にマイコプラズマ(とウレアプラズマも?)を調べるかどうか、というところでしょう。

それとは別に、(特に都内の)性病診療を担当するクリニックで「ウレアプラズマ/マイコプラズマが陽性だったので治療した、治癒判定をしてほしい」と電話をもらうことがあり、改めて上記のように検査を準備しました。

クラミジア・淋菌はうがいでも
ウレアプラズマとトリコモナス・マイコプラズマジェニタリウムは初尿でも
検査できるので、
男性も検査可能です。















木更津市内で麻疹患者が出たとのこと。

特別、治療方法がないのが困ります。

また、医療機関での対応が難しい。
保健所は採血・尿検査をして診断を確定させて報告せよ、と言ってますが。
他の患者さんやスタッフに感染したら大変で、病院内に入ってもらうのも困ります。
当院では対応できません。


 

 

潜伏期

症状

治療方法

麻疹

 

感染力が強く、空気感染で高率に感染が成立する。

潜伏期は

約10日

感染してから約10日後に発熱や咳、鼻水といった風邪のような症状が現れる。

 

 

2~3日熱・風邪症状が続いた後、39℃以上の高熱と、口の中に白く細かい斑点(コプリック斑)、次いで顔・頭から全身に発疹が出る。

肺炎、中耳炎を合併しやすく、患者1,000人に1人の割合で脳炎が発症する。

その他の合併症として、10万人に1人程度と稀だが麻しん感染後、特に学童期に亜急性硬化性全脳炎(SSPE)と呼ばれる中枢神経疾患を発症することがある。

対症療法のみ。

発熱に対しては解熱剤、喉の痛みに対しては解熱鎮痛剤、高熱などによる脱水に対しては点滴治療。

風疹

 

 

 

2~3週間

全身性の小紅斑や紅色丘疹、

リンパ節腫脹(特に頚部、後頭部、耳介後部)、

発熱(発熱は患者の約半数に過ぎない)

を三主徴とする。

皮疹は3日程度で消退する。

リンパ節腫脹は発疹出現数日前に出現し3~6週間で消退する。

カタル症状、眼球結膜の充血を伴うことがある。

対症療法のみ。

 風疹と同じ。

 

血小板減少性紫斑病を併発したときは、入院して治療。

数千人に一人と稀だが脳炎を併発することがある。




   
   ↓ 麻疹


はしか(麻疹)|原因・症状・対処法・予防法|大正健康ナビ|大正製薬 さん






  ↓  風疹

風疹|原因・症状・対処法・予防法|大正健康ナビ|大正製薬 さん






はしか(麻しん)の症状と風疹との違いについて解説 | ひまわり医院(内科・皮膚科)

Fournier 壊疽(フルニエえそ)


 Fournier
壊疽(フルニエえそ)は,1983年 Fournier が、「若年健康男性の外陰部に突然発症し急激に進行する原因不明の壊死性筋膜炎」と報告したのが最初である.その後,藤山らが「性別に関係なく発症する,外陰部に生じた壊死性筋膜炎」と定義した.病態は外陰部の皮下より筋膜に及ぶ急性の壊死性変化を伴った感染症であり,necrotizing fasciitis が外陰部に発症したものと考えられる.

Fournier 壊疽は、高齢の、男性に多く発症する。基礎疾患として糖尿病,悪性腫瘍,腎不全といった易感染状態(免疫低下状態)の合併が多い.また,Fournier 壊疽は感染部位として陰嚢が最も多いとされているが,これは陰嚢皮膚が汗腺に富み常に浸潤傾向にあること,また皮下組織は層状構造をなし比較的血流に乏しいことがあげられる.


一般・救急外来で壊死性筋膜炎を見逃さないためのポイントとしては、

①      まず疑うことが重要である。発熱も皮膚所見もない、または皮膚所見が軽いのにすごく痛がっている、皮膚所見のある部位を超えて痛みや圧痛、腫脹がある。臨床所見と乖離した強い痛み、時に嘔気、嘔吐がある。

特に激痛を伴う紫斑は劇症型の壊死性筋膜炎を疑わせる所見である(認知症や脳梗塞後遺症などで患者が自分の痛みを正確に訴えられない場合は要注意)。熱感や発赤といった炎症徴候がなく、外傷性紫斑と鑑別困難な例があることを念頭に置く。

②      LRINEC score(ライネック・スコア) は、皮疹を十分に評価できない場合や、他科の当直医が皮膚科へコンサルトする際の参考となる。


  コンサルトを受けた皮膚科医は、少しでも壊死性筋膜炎を疑ったら、試験穿刺もしくは小切開を行いグラム染色を行う。判断に迷う際には MRI(脂肪抑制像)を撮影し筋膜の高信号像の確認を行うことで診断の参考になる。



ライネック・スコア   -1




治療は、全身管理と早期の広範囲のデブリドマン、適切な抗生剤投与を必要とする。
































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LINEで見つけた医師同士の会話




●すみません質問です。
「100%効く治療をして」「100%副作用のない薬を出して」
という患者に対して、100%はないというのを皆さんはどうやって納得して貰っていますか。





■何かの謎掛け?





●謎解きでも大喜利でもなく質問です。

100%の効果は保証できないと言ったら、治療出来ないと受け取られてクレームになり、始末書になり、上から厳重注意を受けました。どう言えばよかったのかと。

副作用が全く出ないことを証明しろだの
100%治ると言えだのとしまいにはボイスレコーダーを持ち出してきて大変でした。
もう出禁にしたいくらい。
勤務医にはそんな権限無いですが。





■そんな魔法の薬はありませんよ。
医学を学んだのであればわかりますよね?
何科かよくわかりませんが、理解に苦しみます💧

どんな副作用を心配しているか聞いてあげることくらいじゃないですかね~、なにか手がかりありかもしれないし…

何を言ってもダメな人は一定数いる。
どうこうしようと考えるのは時間の無駄ではないでしょうか?





●ありがとうございます。

風邪からの咳だと思われたのでムコダインとメジコンを出したかっただけなんですけど、

副作用はないのか→眠気が出ることはあります

眠気の出ないものを出せ→通常の成人の量より少な目に出しますので、運転などに注意していただければ大丈夫ですよ。それかどうしても心配なら痰切りだけで様子を見ましょう。

少なくしたら100%眠気は出ないんだろうな?→100%とは言いきれないので、心配であれば作業の前などは飲まないようにしていただいて大丈夫ですよ。

それで100%咳は止まるんだろうな?→100%の効果を保証は出来ません。免疫で症状が改善してくるまでに、咳の辛さを少し減らしてくれる薬です。

医者が病気直せないのか?ああ?

...と言う感じだったので精一杯説明しましたが難しかったです。始末書書きましたが治療拒否なんてしていないし他にどう言えば良かったのかと、昨日は悶々としていましたが寝たら少し落ち着きました。


愚痴のようになってしまいすみません。
上からにならないよう、丁寧に説明できるよう心がけていきます。







■こんなクレーム病院が真に受けるから世の中おかしくなるんですよ







▲そんな説明してあげてるんですね。

眠気は副作用と言えば副作用なんだろうが…😅
風邪=「体を休めさせなさい」のシグナルであって風邪薬で体が眠くなってくれるなら逆に有り難く思って貰わないとね。
医師に注文付けるのではなく薬剤業界やそんな生命体を授けた神様にイチャモン付けてもらう案件ですよね。
「俺は寝てられない。忙しいんだよ」を先生に聞いてもらいたかったんですかね~。
充分寄り添ってますよ、あとは患者に付け上がらせない程度に「医師である私の役割はここまでです。お大事に~」ですね😄







●ありがとうございます。
なんだか泣いてしまいそうです。

結局その後その患者さんは帰ってしまって、後から職場にクレームの電話が入りました。
この人風邪の時は今までどうしていたんだろう…と思いましたが
どうにもならないので気持ちを切り替えていきます。






■揺らいではダメですよ、またおごってもダメですよ。
志高く医師になっても、「神様」になった訳ではない(おごらないの意味)。
医師の説明責任認識し、きっちり役割果たした
→毅然とした態度(揺らがない)。

病院からクレーム処理の聞き取り(事務屋も仕事なので先生に一応聞き取り来るだろうが…。
加算点数算定上事務的手続き)→「医師としての役割はきっちり果たした」と堂々と言い切る。

詰まるところ…
「○○○で…。以後誤解を招かぬよう…」とかコメントつけて掲示板とか出すのかな?
→まあ、それはある種「加算上、お約束ごと」
→気にすることではない。
なぜならば「やることやったんだから😄」
Take It Easy!





●そんなものはありません。
医者が病気を治せないのか?と言われたら、
貴方の求める治療は私には無理ですとはっきり答えると思います。












信じらんねー患者がいるな。
(・∀・)


















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慢性腎臓病(CKD=Chronic kidney disease)


慢性腎臓病(CKD)とは、腎臓の機能が慢性的に低下している状態を指す。

CKDの診断基準は次の通り。

次の①または②、または両方が、3か月以上続く状態。


① 糸球体濾過量(GFR)が1分間に60mL未満の状態が3カ月以上続く

② 尿たんぱくが出るなど(*)腎障害がある状態が3カ月以上続く

(*)蛋白尿の存在、または病理、画像診断、検査(検尿/血液) 等で、明らかな腎障害が存在する


【発症のきっかけ】CKDは、高血圧や糖尿病などの生活習慣病の悪化によって発症することが多い。慢性腎臓病(CKD)は、腎機能の低下に伴い、心筋梗塞や脳卒中などの心血管病(CVD)のリスクが高まる。



【症状】CKDの初期には自覚症状なく、進行すると食欲不振、悪心、嘔吐、倦怠感、夜間頻尿などが現れる。



【治療】CKDの治療には、基礎疾患の治療(血圧・血糖のコントロール)、貧血の治療、水・電解質バランスの管理など。進行すると透析や腎移植が必要になることがある。



【腎臓専門医・専門医療機関に紹介する基準】日本腎臓学会が作成した「腎臓専門医・専門医療機関に紹介する基準」は、検査値には(1)尿アルブミン定量(mg/日)・尿アルブミン/クレアチニン(Cr)比(mg/gCr)、(2)尿蛋白定量(g/日)・尿蛋白/Cr比(g/gCr)、(3)糸球体濾過量(GFR)を用いる。




慢性腎臓病、紹介の基準




 

 

【CKDの重症度ステージ分類】

 GFRと蛋白尿はそれぞれ末期腎不全、あるいは心血管疾患の独立したリスク因子であることから、CKDの重症度はそのリスクを層別化するために、原因(Cause:C)と、腎機能(GFR:G)の6区分(G1~G5)、蛋白尿(アルブミン尿:A)の3区分(A1~A3)により18段階に分けられたCGA分類で評価される。

 記録としては重症度を正確に把握するため、GFR区分と蛋白尿区分、原疾患がそれぞれ分かるように、例えば「CKDG3bA2(糖尿病性腎臓病)」,或いは腎硬化症疑い G4A1,多発性囊胞腎 G3aA1,原因不明の CKD G4A2,というように記載される。

 


【CKDの治療】

CKDに対する治療の大きな目的は、腎機能の低下を抑制し末期腎不全への進展を回避すること。早期に治療介入を開始することで、現在の腎機能をできるだけ維持し、その後の腎機能低下のスロープを緩やかにする。

 具体的な治療としては、CKD発症の原因となった原疾患に対する治療が重要なのは当然として、それだけでなく、原疾患に関わらずCKDの進行を抑制するための治療を行い、さらに腎臓に負担をかける病態を十分に管理して腎臓を保護することが重要です。



【原疾患に対する治療】ガイドライン掲載の主なリコメンデーションは以下の通り。

<糖尿病性腎臓病>

⃝腎予後の改善とCVD発症抑制が期待されるため、SGLT2阻害薬の投与を推奨する【推奨グレード1A】

⃝顕性アルブミン尿を呈する場合、低血糖リスクが少ない症例では、細小血管合併症の発症・進展抑制のためにHbA1c7.0%未満の血糖管理を提案する【推奨グレード2C】

⃝尿アルブミンの改善を示す可能性があることから、ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)*の使用を提案する【推奨グレード2C】

⃝体液過剰が示唆される場合には、ループ利尿薬(フロセミド=ラシックス、アゾセミド=ダイアート、トラセミド=ルプラック)の使用を提案する【推奨グレード2D】

*MRAに分類される薬剤は①ミネラルコルチコイド受容体(MR)への選択性、 ②薬剤構造 (ステロイドor非ステロイド骨格)の2点から第一~第三世代に分けられる。第一世代=アルダクトンA、第二世代=セララ(エプレレノン)、第3世代=ミネブロ(エサキセレノン)とケレンディア®(フィネレノン)。


<高血圧>


CKDを合併してしまった高血圧は,

・(基本的には)ACE阻害薬/ARBを用いて

・(糖尿病や蛋白尿の存在を意識しながら)厳格に降圧し

・減塩/減量もしっかり指導



<高血圧性腎硬化症・腎動脈狭窄症>

⃝片側性腎動脈狭窄を伴うCKDに対し、レニン・アンジオテンシン(RA)系阻害薬(ARB、ACE阻害薬)はその他の降圧薬に比して末期腎不全への進展および死亡リスクを抑制する可能性があり、使用することを提案する【推奨グレード2C】

⃝ただし、急性腎障害発症のリスクがあるため、少量より開始し血清クレアチニンとカリウム値を確認しつつ注意深く用量を調節する必要がある

⃝両側性腎動脈狭窄が疑われる際は、RA系阻害薬は原則として使用しない


<IgA腎症>

⃝RA系阻害薬はIgA腎症の末期腎不全への進展抑制、腎機能障害の進行抑制ならびに尿蛋白の減少効果を有するため使用するよう推奨する【推奨グレード1B】

⃝副腎皮質ステロイド薬は、尿蛋白1g/日以上、かつCKDステージG1、G2のIgA腎症の進行抑制並びに尿蛋白の減少効果を有するため、使用するように推奨する【推奨グレード1B】

血圧を上げるレニン-アンジオテンシン(RA)系を阻害するARBやACE阻害剤はRA阻害薬とも呼ばれる(以後RAS阻害薬)。



















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。。

















 

 

 

 

 

 

利尿剤の区別


 

 

作用機序・適応

注意点

 

利尿

 

(1)ループ利尿薬

アゾセミド(ダイアート)12時間

トラセミド(ルプラック)8時間

フロセミド(ラシックス)6時間

●Henleループ・太い上行脚でのNa-K-Cl共輸送体を阻害する。強力な利尿効果。体液貯留を伴う慢性腎不全・慢性心不全・肝硬変で適応がある。ある一定量以上使用すると効果が頭打ちになるので、他の作用機序の利尿剤を追加する。●CKD G4~5でアゾセミド。

高尿酸血症

Na↓、K↓

代謝性アルカローシス、

光線過敏症、骨量減少

(2)V2受容体拮抗薬

 トリバブタン
      (サムスカ)

●集合管でのV2受容体を阻害⇒水の再吸収抑制

●V2受容体拮抗薬は利尿剤としての単独使用は認められておらず、「ループ利尿薬抵抗性の体液貯留」でのみ使用できる。

Na ↑

 

利尿+mildな降圧

降圧薬・利尿剤として主軸で使う薬ではなく、主軸に上乗せして効果を発揮する。

サイアザイド系

 トリクロルメチアジド(フルイトラン)

  (1mg.2mg)
          HTには1日1㎎

ヒドロクロロチアジド

●遠位尿細管でのNa-Cl共輸送体を阻害する。

●腎機能低下時(Cre≧2)には使用しない。Na利尿による降圧・徐水効果を発揮するため、「塩分過多・浮腫を伴うHT、慢性心不全」に有効。●CKD G1~3で推奨。

高尿酸血症、Na↓、

K↓、Ca↑、Mg↓

代謝性アルカローシス、

光線過敏症

ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)

 スピロノラクトン(アルダクトンA)

 エプレレノン(セララ)

 エサキセレノン(ミネブロ)⇒HTに適応

トリアムテレン(トリテレン)

フィネレノン(ケレンディア)⇒DM合併CKD

●遠位尿細管・皮質集合管でミネラウコルチコイド受容体を阻害しNa排泄↑・K排泄↓ 

●臓器保護作用

●抗アルドステロン作用があり、RASが亢進している病態(慢性心不全、肝硬変、腎性蛋白尿)がよい適応になる。しかし単剤では効果が弱く、ループ利尿薬との併用で効果を発揮する。

Na↓、K↑

(スピロノラクトンで)女性化乳房

 

 

利尿・降圧ともに弱い

炭酸脱水素酵素阻害薬

 アセタゾラミド
   (ダイアモックス)

●近位尿細管で炭酸脱水素酵素を阻害しHCO3再吸収を阻害。

●一般的な利尿剤としては使われない。「緑内障発作・てんかん・メニエール病・肺気腫での呼吸性アシドーシス」に適応あり。

 

◆脱水時やsick dayに使用を継続すると、糸球体虚血による急性腎障害になる。


◆CKD治療での利尿薬は、CKD 1-3ならサイアザイド系、G4・5なら長時間作用型ループ利尿薬(ダイアート・12時間型)の使用を考慮する。


◆「利尿剤抵抗性」と疑われたら、循環不全による腎血流低下、尿路閉塞、薬剤性腎障害をまず除外せよ。この3つを除外したものが狭義の利尿剤抵抗性病態。その病態の主座はRASの亢進で、Na貯留をきたして利尿剤に抵抗している。
対策は「低Alb血症を伴うかどうか」で分けて考えるが、共通する対策は
①投与回数増やす、持続静注にする
②作用時間の長い利尿薬に変更する
③RASを阻害するMRAなどを加える。


◆HTの薬物治療…積極的適応がなければ、1剤目はアムロジン(>160ならニフェジピンCR)、2剤目はテルミサルタン、3剤目は(年配なら)ヒドロクロロチアジド、(若年なら)ベータ遮断薬。

◆CKD治療での利尿薬は、CKD 1-3ならサイアザイド系、G4・5なら長時間作用型ループ利尿薬(ダイアート・12時間型)の使用を考慮する。



<注>アムロジピン 5 mg+テルミサルタン80 mg+ヒドロクロロチアジド 12.5mg の3剤配合剤のミカトリオ®がある。




利尿剤の種類 ー1













 

いろんな合剤があり、わかりやすくまとめてみた。 


ARBの使い分けと合剤                                                                                                                                                                                                     トリクロルメチアジド(フルイトラン)↓

ARBの降圧の程度

●ARBは降圧の強さ、半減期、尿酸低下作用の3つで区別する(しかし尿酸降下作用は弱くオマケ程度である)。●アムロジピンで降圧不十分ならニフェジピン(アダラートCR)20~40に変更。

Ca拮抗薬

サイアザイド系利尿薬

アムロジピン

アゼルニジピン

(カルブロック)8.16mg,

シルニジピン(アテレック)5,10mg

ヒドロクロロチアジド

12.5mg錠、25mg錠

トリクロルメチアジド

2.5

5

10

8

16

10

6.25

12.5

1mg

強

オルメサルタン
  (オルメテック™)

5,10,20,40mg

 降圧作用強い。
 1日5~10mg から開始。

10

 

 

 

レザルタスLD

 

 

 

 

 

20

 

 

 

 

レザルタスHD

 

 

 

 

強

アジルサルタン
 (アジルバ)10,20,40mg

強い降圧作用、夜間高血圧にも有効。

20

ザクラスLD

ザクラスHD

 

 

 

 

 

 

 

 

中程度

イルベサルタン
(アバプロ)50,100,200mg

  弱い尿酸降下作用

100

 

アイミクスLD

アイミクスHD

 

 

 

 

 

イルトラ

LD

200

 

 

 

 

 

 

 

 

HD

テルミサルタン
  (ミカルディス)
   20,40,80mg

 血中半減期長く長時間作用型、分1でも。

過剰な降圧はまずなく、導入に適する。

40

 

ミカムロAP

テラムロAP

 

 

 

 

 

ミコンビAP

 

80

 

ミカムロBP

テラムロBP

 

 

 

 

 

ミコンビBP

 

 

適度

カンデサルタン(ブロプレス)2,4,8,12mg

 適度の降圧と持続性。心不全に適応有。

4

 

 

 

 

 

 

エカードLD

 

 

8

ユニシアLD

ユニシアHD

 

 

 

 

エカードHD

 

 

バルサルタン(ディオバン)20,40,80,160mg

80

 

エックスフォージ

 

 

 

アテディオ

コディオMD

コディオEX

 

弱

ロサルタンK(ニューロタン) 25,50,100mg

=弱い尿酸降下作用。
血中半減期短く、HTが無い尿蛋白陽性CKD、2型糖尿病性腎症で適。

50

 

 

 

 

 

 

 

プロミネントLD

ロサルヒドLD

 

100

 

 

 

 

 

 

 

プロミネントHD

ロサリヒドHD

 

 強力  エンレスト(サクビトリル+バルサルタン)             
適応症は①慢性心不全、②高血圧(100mg,200mg)    
ARBまたはACE阻害薬から切り替えて投与する。②高血圧症に第1選択とはしない. 低血圧・高K・腎障害に注意。eGFR<90で慎重投与。






ARBの作用機序















































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動脈硬化指数(AI)とL/H比


 HDL(
善玉コレステロール)は血管に付着したコレステロールをはがして肝臓に戻す働きがあり、動脈硬化を予防する方向に作用する。LDL(悪玉コレステロール)は肝臓からコレステロールを運ぶ働きがあり、多すぎると血管の壁に蓄積され酸化して過酸化脂質となって血栓を作るため、動脈硬化を促す方向に作用する。



(1)動脈硬化指数(AI)   atherogenic index [atherogenic粥腫発生の]

動脈硬化指数とは動脈硬化の起こりやすさを表現したもので、次の計算式によって求められる。

動脈硬化指数 = (TC - HDL)/HDL

 正常値は4.0以下、数値が大きいほど動脈硬化になりやすく、小さいほど動脈硬化になりにくいと言える。

 

(2)L/H比

 一方、2007年の動脈硬化性疾患予防ガイドラインの改定以後、最近はLDL/HDL比が新たな動脈硬化指数として注目されている。かつては「LDL(悪玉コレステロール)の数値が低ければ心筋梗塞などのリスクは低い」と考えられてきたが、悪玉コレステロールが正常値の範囲内でも心筋梗塞を起こすケースが多く見られたことから、善玉と悪玉両方のバランスが大事であるとして、L/H比の重要性が高まっており、現在では単に「動脈硬化指数」というとこのL/H比をさすことも多い。

         L/H比=LDL÷HDL


 特に、メタボリック症候群や糖尿病の患者では高中性脂肪と低HDL-Cがあり、small dense LDLとなるためLDLが高値とならないことが多く、またHDLとLDLのバランスによって動脈硬化の進展(プラーク形成)が相関し、LDL/HDL>2.0ではプラーク形成が進むとされる。

動脈硬化の進展抑制・退縮を目的としたLDL/HDL比の管理目標値は、将来の冠動脈疾患の発症を予防する場合(一次予防)では2.0以下、冠動脈疾患の既往がある場合(二次予防)では1.5以下が推奨されている。L/H比は検査時点での動脈硬化の目安であり、食生活や生活習慣を見直す一助となる。



L・H比   動脈硬化指数











。


































 

めまい 大まかな診断チャート




「帰さなくてよかった症例」特集



  めまいはこわい



投稿者 : 匿名医師  2022/05/12

 

めまいを主訴に初老女性が脳外科クリニックを受診したところ、「脳梗塞であった場合ウチでは対応できない」とER紹介。ERから「特に神経脱落症状のないめまいなので耳鼻科でお願いします」と対応を依頼されました。眼振や新規の聴力低下なく、耳性めまいとは断言困難でした。基礎疾患は高血圧くらいで脳梗塞リスクは高くはなかったのですが、初発めまいで嫌な予感がしたので頭部MRIを撮影しました。結果は特に問題なかったため、やはり耳鼻科で対応することになりました。念のため+本人の希望で入院での経過観察を行った所、入院2日目に呂律困難が出現しました。迅速に頭部MRI再検し、小脳梗塞が判明しました。帰さないでよかったとその時思いました。もし入院前に頭部MRI撮影をしていなければ見逃しと言われていたかもしれないという点ではヒヤヒヤした症例でした。


 

 

>「嫌な予感がした」

投稿者 : 耳鼻甲斐2022/05/19[救急]

>「嫌な予感がした」

他科の先生から「中枢性は大丈夫だと思うよ」と対応依頼されたらそう思い込んでしまうと思います、

自分なら。

今回の件は先生の臨床的センスの良さあってのものだと思います。

お見事です。

 

 



めまいで「神経脱落症状がない」というふれこみのほとんどは

投稿者 : phquase2022/05/19[救急]

めまいで「神経脱落症状がない」というふれこみのほとんどは体幹失調を評価していないんですよね。

本人が気分不良で立てないとかで。

小脳梗塞で比較的多い、PICA閉塞の場合はめまい・眼振以外だと体幹失調ぐらいしか症状がないことが多いので、ここを評価しないといけないと思います。

 


 

患者と医療者側のめまいの表現がずれていることが多いです

投稿者 : 匿名医師9292207294   2022/05/21[救急]

 回復期リハビリ病院に勤務しています。患者と医療者側のめまいの表現がずれていることが多いです。回転性なのか浮遊性なのか、はっきりしないこともあります。よくいわれるフワッとするが多いです。たまたま定期MRIを予定している場合に新鮮な小梗塞を見つけることはあります。

 

 


>入院での経過観察を行った

投稿者 : やぁぶ医者2022/05/23[救急]

>入院での経過観察を行った

TIAに準じてバイアスピリンとか飲ませるんですかね?

入院させたらさせたで加療不十分と訴えてきそうで怖い。

 

 


めまいはホントにつらい

投稿者 : げんげん2022/05/23[救急]

めまいはホントにつらい。

マイナー外科医の自分が50歳代で経験した時は、やばかった。

その日の手術終了後、緊張が取れたタイミングで突然 猛烈な回転性めまい。

ロッカー室の床に倒れ込んで、めまいで全く動けない、金縛り状態。

目を開けると世界がぐるぐる回ってる、眼振って自覚できるんだ。

悪いことに夕方で他科の手術は全て終わっていて、誰も来ない。

しばらく目を閉じていたら少しだけよくなって、床をジリジリ這って

手術室スタッフに救援頼んで、ストレッチャーで救急へ。

救急ドクター、よく知ってるいい方なんですが、

再現試験っていう、意味不明の検査をされてまた猛烈なめまいが・・

あの時は、そのドクターが悪魔に見えました。

1泊2日で入院して、次の日の朝にはケロッとよくなって外来出ました。

その後10年以上、めまいはありません。

記憶が定かではありませんが、MRIはたぶん撮ってないです。

 


 

>>やぁぶ医者先生 小脳梗塞が判明するまでは

投稿者 : 匿名医師1383126844    2022/05/23[救急]

>>やぁぶ医者先生

小脳梗塞が判明するまでは「めまいの経過観察入院」なので、抗血栓療法は行わないですね。その患者さんとご家族はICに対する理解が良好な方々であったため、特にトラブルにはなりませんでした。逆に神経脱落症状があるのに頭部MRIでは何も所見が無かった方を脳外科コンサルトしたら、TIA疑いで抗血栓療法が開始されていた経験があります。その方も時間をあけて頭部MRIをされていましたが、脳梗塞所見が遅れて出たかどうかは忘れてしまいました…

 

 


 

昔話だが、軽いめまいで病院受診し中枢疾患ではないと

投稿者 : 中川N  2022/05/23[救急]

昔話だが、軽いめまいで病院受診し中枢疾患ではないと自信満々に神経内科から耳鼻科へ。

ふらつき強いため入院経過観察したところ、翌日顔面神経麻痺、舌咽神経麻痺、難聴を発症した。

結局、脳幹梗塞でお亡くなりになった。

 

 




そういう話は、ほんとに、よくあるあるですよね。

投稿者 : 鼻耳医2022/05/23[救急]

そういう話は、ほんとに、よくあるあるですよね。

耳鼻科の(守備範囲の)めまいではまず死ぬこた〜ないんだから、

初発のめまいは診断つくまで耳鼻科に振らないで欲しいと切に思います。

 



 

詳しい解説をして頂きありがとうございます。

投稿者 : やぁぶ医者2022/05/23[救急]閲覧数 : 580前へ 21/32 次へ

詳しい解説をして頂きありがとうございます。強いめまい感はそれ自体が神経脱落症状のような気もするのですが、検査前確率や陽性的中率の低さ?、出血の副作用を考慮すると、見切り発車的な抗血栓療法は推奨されないのでしょうね。

 



 

脳幹梗塞は、発症初期のMRIで発見できないことがちょくちょく

投稿者 : 匿名医師   2022/06/06

脳幹梗塞は、発症初期のMRIで発見できないことがちょくちょくあることはご存知でしょうか。極端な例だと、発症から5日くらい経ってからやっとDWI高信号が見られることもあります。もちろん、MRAでも一見して特に異常を認めません。おそらく動脈解離などの初期の状態なのかと想像します。過去に一緒に働いた耳鼻科医が、めまいで検査も難しい患者さんも、前例MRIを撮って、中枢疾患を否定させていましたが、むしろ急性期にはCTくらいにしておいて、その後きちんと症状を観察していく方が安全と思っていました。MRIを過信するのはいかがなものかと思います。

 

 



出血は画像で間違えることないかと思いますが

投稿者 : DDs2022/07/05[救急]閲覧数 : 40前へ 30/32 次へ

出血は画像で間違えることないかと思いますが、後頭蓋窩の梗塞病変はMRでの異常が確認できるまで若干時間がかかることがあるので、初診時のMRIで異常なしでも安心できません。

軽い小脳梗塞では神経所見も乏しいことがあるので、診断難しいですね。小脳梗塞であれば軽い構音障害程度はあってもよさそうですが、ほとんどの眩暈は耳鼻科かなぁと思ってます。

 


 

耳鼻科の専門医ですが、これまでに数回、めまいや一側性進行性

投稿者 : ドラエモン220   22/07/05[救急]

耳鼻科の専門医ですが、これまでに数回、めまいや一側性進行性難聴症例で、

MRIを先にとった方が良かったかと思ったことがあります。

脳梗塞(特に小脳や脳幹部)、聴神経鞘腫、椎骨動脈解離などです。

腑に落ちないところがあれば、MRIを頼むことにしています。

 


 

寝不足でもめまいは起こりますからね。後医は名医ですから

投稿者 : ややじじい2022/07/05[救急]

寝不足でもめまいは起こりますからね。後医は名医ですから、あとでいろいろわかっても前医を責めないことですね。お互い様ですよ。

 




●↑全く(^^♪

 

 


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研修医が最終判断を下してはいけない。
経験が足らないのだから。
本人だって自信がねーだろう。
研修医が最終判断を下して、
「急性胃腸炎」というゴミ診断して帰宅させた。
よくわからなければ取り敢えず入院させるのが安全だ。
入院のハードルを下げておくのがいい。
違う医師(ベテラン医師)にも診察を依頼して、
間違いを減らすべきだ。


これまでだって事故があったはずだ。
幸い死亡事故に至らなかったのか?










錠腸間膜症候群ー1




上腸間膜動脈症候群



十二指腸から空腸への移行部は、前方から上腸間膜動脈に、後方から腹部大動脈に挟まれた位置にあります。これらの血管による締め付けが強くなると腸閉塞症状をおこし、急性の場合には、食後の腹部膨満、嘔吐などをきたし、慢性の場合には、間欠性腹痛を起こします。症状は、食後に悪化します。
体位によって症状が変化します。上向きより、すわったり、腹ばいで症状が軽快します。上腸間膜動脈の締めつけ力が弱くなるからです。
この部位は、通常は、脂肪組織やリンパ組織のクッションによって守られていますが、 急激な体重減少に伴って、上腸間膜動脈周辺の脂肪組織のクッションがなくなると、前後方から締めつけられることによって、腸閉塞を起こします。

鎮痛薬無効の強い腹痛に対して、まずこの疾患を疑うことが重要で、それは知識・経験が必須です。そもそも知らなければ疑えないでしょう。

診断には腹部CTや超音波検査が有用で、腫瘍などの鑑別疾患の除外とともに、食事内容により拡張した胃・十二指腸を認めたり、大動脈と上腸間膜動脈の間にしめつけられた十二指腸を認めることで診断されます。また上腸間膜動脈の起始部が鋭角であることも参考になります。

上腸間膜動脈閉塞症の治療は、早期診断して、早期手術が重要です。
腹膜刺激症状が出現した時点で、緊急手術が行われるのが一般です。
壊死に陥っていない場合で、発症12時間以内は、IVR(*)による加療が試みられることがあります。手術になった場合は、全身状態が不良であることが多いので、腸管の吻合は極力回避して人工肛門の造設を考慮します。


(*)IVR =インターベンショナル・ラジオロジー(Interventional Radiology)の略で、画像下治療という和名があり、X線透視やCTなどの画像でからだの中を見ながらカテーテルや針を使って行う治療。






















「排尿の異常」は症状と病名が交錯するので理解しにくいですが、
出来るだけわかりやすく説明しますとー


排尿障害とは、(1)排出の障害と(2)蓄尿の障害です。それぞれの症状は、

 (1)排出の障害(尿をうまく出せない)    →尿閉、尿の出が悪い

(2)蓄尿の障害(尿をうまく貯められない)  →尿失禁、頻尿


泌尿器科のお悩みでよく話題に上る症状が、●
尿失禁(尿もれ)と●頻尿(特に夜間)です。

説明を抑えつつ簡潔にまとめると、

●尿失禁(尿もれ)   次のように分類します

1.腹圧性尿失禁  =咳やくしゃみなど、お腹に力が入った時に尿が漏れてしまう症状。骨盤底の筋肉のゆるみが原因とされ、加齢や出産、排便時のいきみ、喘息が骨盤底筋にダメージを与えます。

…【治療】軽症ならまず骨盤底筋体操、内服治療ではスピロペント錠(10mg)1回1-3錠、1日2回

2.切迫性尿失禁  =急に尿がしたくなり(尿意切迫感)、我慢できずに漏れてしまう症状。多くの場合、特に原因がないのに膀胱が勝手に収縮します。

…【治療】過活動膀胱の治療と同じ。

    β3作動薬 =膀胱の筋肉が緩んで膀胱容量が広がり、尿道が縮んで頻尿・尿失禁を改善します。

ベタニス、ベオーバ

抗コリン薬 =神経伝達物質アセチルコリンは膀胱を収縮させるので、それを抑えます。  

バップフォー、ベシケア、トビエース

3.溢流(いつりゅう)性尿失禁 =自分で尿を出したいのに出せない、でも尿が少しずつ漏れ出てしまう。男性に多くみられ、排尿障害が前提にあり、排尿障害を起こす代表的な疾患に前立腺肥大症があります。腎機能不全になっていれば他科受診も。

…【治療】尿排出障害治療薬で開始する。

     男性はα1遮断薬(交感神経を介して前立腺と尿道の筋肉の緊張を緩める)

ハルナール、フリバス(この2剤はめまい・起立性低血圧の頻度が少ない)、

エブランチル(1回15㎎、1日2回より開始)…エブランチルは女性にも適応あり。

4.機能性尿失禁 =排尿機能は正常にもかかわらず、身体運動機能の低下や認知症が原因でおこる尿失禁です。たとえば、歩行障害のためにトイレまで間に合わない、あるいは認知症のためにトイレで排尿できない、といったケースです。症例ごとに対応します。


★当院では主に内服治療をしています。難治性の場合は泌尿器科専門医をご紹介する場合があります。

 




骨盤底筋体操ー1





 

●頻尿 = 頻尿(1日8回以上)、夜間頻尿(寝ているときにおよそ2回以上)です。夜間頻尿の原因は、①多尿・夜間多尿、②膀胱容量の減少、③睡眠障害に分けられます。

  特に、昼間や夜間の頻尿があって尿意切迫感を伴う状態を、過活動膀胱と呼びます。

過活動膀胱の【治療】は切迫性尿失禁の治療と同じ。

女性には、β3作動薬(ベタニス、ベオーバ)、抗コリン薬(バップフォー、ベシケア、トビエース)

    男性は、α1遮断薬と併用しつつ上記のβ3作動薬or抗コリン薬

 





尿もれの内服薬 ー1


 

生活習慣病管理料 画像


厚生労働省の診療報酬改定


 令和6年6月1日より、高血圧・糖尿病・脂質異常症の場合だけこれまで算定してきた「特定疾患療養管理料」が廃止され、「生活習慣病管理料」に移行することになりました。

それに伴い…

 

 

『療養計画書』の記入・お渡し


 上記の3疾患の患者様は、「生活習慣病管理料」へ移行するのに伴い、概ね4カ月に1回、『療養計画書』を相談しながら作成することになりました。

 個々の患者様に適した治療目標・指導内容・検査結果を、療養計画書に記入し、サインしていただいてコピーしてお渡しします。

 

お時間・お手間をおかけしますが、ご了承とご協力をお願いいたします。

 

  
             
メープル木更津クリニック

 

 

 

 


鉄が足りないと、貧血でなくても症状が出ます。






鉄欠乏、これもわかりやすい




鉄欠乏症  -1



治療は鉄剤の内服ですが、
副反応が少なかったフェルムが販売中止になってとても残念です。





鉄欠乏症の内服治療

 鉄剤の内服で嘔気・嘔吐など副作用が強い場合は、食直後の内服又は胃薬を併用する(アルサルミン細粒1包6.4円、ムコスタ1錠10.1円)。ビタミンCは鉄吸収を促進するが無理に併用しなくてよい。緑茶や紅茶などを禁止する必要はない。

薬剤名

剤型・容量・薬価

推奨する1日当たりの内服量と薬価

コメント

フェルム

フマル酸第1鉄

カプセル:100㎎

1C 8.4円

1カプセル・夕食後

1日8.4円

徐放カプセル、胃腸障害が少ない。

販売中止

フェロミア

クエン酸第1鉄ナトリウム

錠:50㎎

1錠 8.7円

2錠分2(1日100㎎)

1日17.4円

胃腸障害がある場合は1日1錠でも。

リオナ

クエン酸第2鉄水和物

錠:250㎎

1錠 74.2円

1日1回1~2錠(食直後)

1日74.2~148.4円

鉄欠乏性貧血にも適応がある。

フェロ・グラデュメット

錠:105㎎

1錠 6.7円

1錠夕直後 ~ 2錠分2(食直後)

1日1錠なら6.7円、2錠なら15.4円

十分な水とともに服用、直ちに飲み下す。

インクレミン

シロップ 50mg/ml

(鉄として6mg/ml)

1ml 6.2円

1日10~15ml(鉄として60~90mg)

1日10mlで62円、15mlで93円

 

 

 





● 

麻しん・風しん・水痘・ムンプス
発症を防ぐのに十分な血中抗体価の測定方法と判定基準

 

    測定方法     判定基準 備 考

麻しんmeasles   IgG-EIA 法   16.0 以上の陽性

風しんrubella    IgG-EIA 法   8.0 以上の陽性

水痘 chickenpox
/流行性耳下腺炎 mumps   IgG-EIA 法    4.0 以上の陽性


発症を防ぐのに十分な血中抗体価は,測定方法によって異なる。
以上はIgG-EIA法での基準。

また,単に抗体陽性とされる値
よりは高い値である。


ウイルス抗体価 一覧







 

 

●ニキビ(尋常性ざ瘡)とは、


毛穴の出口が詰まって盛り上がった状態を面皰と言い、
それがトラブルを起こしている状態がニキビです
。



ニキビの変化ー2






 毛穴の出口が角栓で塞がれ、皮脂がたまって白く盛り上がる(閉鎖性面皰=白いので「白ニキビ」)。その中でアクネ菌が過剰増殖すると炎症が起きて赤くなる(「赤ニキビ」)。なお、詰まった毛穴が開き、内部に溜まった皮脂が酸化して黒っぽく見えるようになる(開放性面皰=「黒ニキビ」)。赤ニキビで炎症が長引くと膿を持つようになり(黄ニキビ)、炎症が収まっても色素沈着やクレーターのような凹みを残す。



 

【ニキビ治療】 

治療は(1)急性期と(2)維持期に分けられます。

治療の基本として、①便秘があれば解消する。②睡眠時間を十分に取り、生活リズムを整える。③刺激物は控えめに。女性で生理前に悪化するならまた相談しましょう。

(1)急性期  特に初期は2wごとに再来

 急性期の治療目標は、炎症が起きている赤ニキビの改善と、新しいニキビができるのを防止すること。

 そのために、根気よく面皰治療薬を塗り続けることが重要です(中途半端にやめると再発する)。

治療のゲルは4種類ありますが、治療の際の皮膚刺激性(ピリピリ感)がネックです。

 ピリピリ感をなるべく出ないようにする工夫をしながら、治療を続けましょう。

 



ニキビの変化




ところで。
内服の抗生剤は長期(1か月以上)内服すると効果が薄れる可能性があり、
治療の初期に1~3w程度内服して終了とします。
抗生剤入りの軟膏はよほど酷ければ使いますが、
そもそもゲルに含まれる殺菌成分で効果は十分。
敢えて使うとしても少なくとも赤み(炎症)が落ち着けばもう不要。














●























発熱外来を受診した人が、
たまに「マイコプラズマ肺炎が心配だ」と言ったりするが。
良く聞くと、熱は微熱程度でもう平熱だとか、
ろくに咳も出ないとか。
中国にも韓国にも行ったことないとか。




マイコプラズマ肺炎




マイコプラズマ肺炎


【症状】しつこい咳と頑固な発熱が特徴 (+全身倦怠感)

【診断】正確な検査方法は、ペア血清(2回採血して、抗体の上昇の程度を見て診断する方法)だが、結果がわかるまで時間がかかる。
 具体的には、症状が現れ始めた頃(急性期)と、2週間くらいしてすっかり回復した頃(回復期)の2回採血して、抗体の上昇を見ます。
通常、4倍以上抗体が上昇していればマイコプラズマと診断できる
(しかし少々咳や熱がみられたからと言ってマイコプラズマが疑われるわけではないので、病初期で採血されることはあまりなく、ある程度症状が進んでから検査されることが殆ど)。
 この場合でも、回復期に2回目の採血を行えば抗体の上昇が確認できることが多いが、治った後に受診する患者さんは殆どいないので、結局2回目の採血が行われることも殆どない。
 急性期の1回しか採血できなかった場合には、320倍以上、あるいは、160倍以上で、マイコプラズマ肺炎と診断する(ペア血清と比べるとやや不十分で参考程度)。

【治療】マクロライド系が無効な場合が増えて、テトラサイクリン系(ミノマイシン)や、ニューキノロン系(オゼックス)が有効とされている。

 

最初からマイコプラズマ肺炎を疑って採血したりしないし、
治ってしまったあとは2回目の採血なんてやらないし、
そもそも肺炎なら(軽症でなければ)基本入院で開業医の手を離れるし。
咳の割に聴診して所見に乏しいなら、
オゼックスその他を出します。


マイコプラズマ肺炎 -2











Regarding prescriptions

「処方箋に関して」


①Do not lose it.

   Will not be reissued if lost.      


② Please go to the pharmacy to pick up the medicine within the deadline.

 

The deadline is 4 days, including the date of examination.

It becomes invalid after the expiration date.

If you wish to have your prescription reissued, you can do so only by exchanging it for an expired prescription.

 

Please understand that:

when you visit the doctor again you will be responsible for the prescription fee (1,000 yen + tax) and 100% (not 30%) at the pharmacy.



処方箋テンプレート-2






橋本病(慢性甲状腺炎)



 甲状腺機能低下症の代表が橋本病です。
 甲状腺機能低下症は、甲状腺ホルモンの量が不足して、
新陳代謝が低下して全身が老けていくような症状がみられます。

 【症状】
無気力で頭の働きが鈍くなり、
忘れっぽく(ひどくなると認知症の原因の1つに)、
寒がりで皮膚も乾燥してカサカサになり、
声がれ、
体全体のむくみ(体重増加)、
脱毛、眠気がありボーッとして活動的でなくなります
(その他に、便秘、筋力低下、易疲労感、月経不順、月経過多、コレステロール上昇⇒動脈硬化)。

内科+婦人科を診療するこちらの立場としては、
甲状腺機能亢進症とともに、
月経に対する影響に注目しています。

また、薄毛の原因としても重要です。




橋本病  -1





【原因】橋本病は自己免疫疾患の1つで、甲状腺を異物とみなして甲状腺に対する自己抗体(抗サイログロブリン抗体TgAb、抗甲状腺ペルオキシダーゼTPOAb)が甲状腺だけを破壊して、徐々に甲状腺機能低下症になります。
 しかし、橋本病と診断されても、甲状腺機能低下症を伴うのは約10%、軽度の低下症で症状がない人が約20%、残りの70%は機能が正常です。

 

【治療】
 甲状腺機能が正常であれば体に影響がないので、薬は必要ありません。

甲状腺機能低下症がある場合は、適切な量の甲状腺ホルモン薬(商品名:チラーヂンS)を少量から開始します(長期間の治療が必要です)。





【注意】ヨウ素を多く含む昆布やイソジンガーグル液のうがいは、一部の人や橋本病の人には甲状腺機能低下を助長させるので、普通以上に摂取するのはやめましょう。


  
                             メープル木更津クリニック

外来でたまに「関節リウマチですか?」と聞かれることがある。

手の関節、DIPなど



関節リウマチ(RA)と変形性関節症の違い


 関節リウマチRAと変形性関節症の鑑別は,多くの場合,
リウマチ因子などの血液検査や単純X線検査は必要なく,
病歴,身体所見などで可能である.


第1関節(上図のDIP関節)を注目して…


●RA=(左右対称)、DIP病変は侵されない。
朝のこわばりは30分以上、痛みは運動で慣れてくると軽減する。

●変形性関節症=(左右非対称)、MCPは侵されない。朝のこわばりはあっても15分程度、痛みは運動で増悪。

■職業やスポーツ歴を参考にする:
変形性関節症の最大のリスクは加齢.
それ以外に,昔からよく関節を使う仕事やスポーツ・趣味をしている場合もリスクになる.
職業では,大工など,スポーツではバレーボールなど,
趣味では,刺や編み物などが多い.

■家族歴から推測する:
変形性関節症は,
軟骨を形成するうえでのtype-IIコラーゲンなどの遺伝性が指摘されているため,
家族歴は聞くようにする.


関節リウマチと変形性関節症の違いー1


早い話が、
指の第一関節(DIP)の腫れは「関節リウマチではない」のだ。


●患者さんは採血結果を希望しているので思わず採血してしまうが、大体は採血不要。




関節リウマチの診断基準、これはいいー1


●これはわかりやすい。↑
診断までするなら,
実はレントゲンでの
骨びらん(骨が虫食いのように一部欠けていること)が重要だ。






一つだけ追加。

DIP関節の腫れといえば、もう一つ、へバーデン結節もある。


ヘバーデン結節(関節リウマチとは無関係)

指の第1関節(DIP関節=遠位指節間関節)が変形し曲がる原因不明の疾患。親指(拇指)にも生じ、痛みを伴うことがある。第1関節の背側の中央の伸筋腱付着部を挟んで2つのコブ(結節)ができるのが特徴である。この疾患の報告者へバーデンの名にちなんでヘバーデン結節と呼ばれる。いろいろな程度の変形があり、すべての人が強い変形になるとは限らない。

第1関節の近くに水ぶくれ(mucous cyst=粘液嚢腫)ができることがある。

  原因は不明で、一般に40歳代以降の女性に多く発生する。手を良く使う人にはなりやすい傾向がある。遺伝性は証明されてはいないが、母や祖母がヘバーデン結節になっている人は、体質が似ていることを考慮して、指先に負担をかけないように注意するべきである。



へバーデン結節ー1



●



これまでの帯状疱疹ワクチン『ビケン』とは別に、


帯状疱疹ワクチン『シングリックス』を導入しました。







帯状疱疹ワクチンには2種類あります



帯状疱疹(たいじょうほうしん)
とは

帯状疱疹は、水ぶくれを伴う赤い発疹が体の左右どちらかに(必ずしも帯状にではなく)出る皮膚の疾患です。強い痛みを伴うことが多く、症状は3~4週間続きます。

子どもの頃にかかった水痘ウイルスが体の中で長期間潜伏感染し、免疫が低下した際などに「帯状疱疹」として発症します。

日本では、80歳までに3人に1人がかかるといわれています。また、皮膚症状が治った後も、50歳以上の約2割の方が、長い間痛みが残る帯状疱疹後神経痛(PHN)になる可能性があります。



ワクチンの名称

ビケン

シングリックス

ワクチンの種類

弱毒生ワクチン

不活化ワクチン

 

接種回数

1回だけ

2回(2か月後に2回目)
遅くとも6か月後までに接種する

予防効果

発症率は60歳以上で51.3%減少、

50~59歳で69.8%減少

50歳以上で97.2%減少

帯状疱疹後神経痛の発症無し

持続期間

発症予防効果は統計上8年

現時点で7年(追跡調査実施中)

 

副反応

接種後50.6%に副反応

接種部位の痛み、腫れ、発赤

注射部位副反応(2回接種合計)80.8%

接種部位の痛み、腫れ、発赤
全身性副反応は64.8%、

筋肉痛、疲労感、頭痛

 

料金

7.700円(税込み)

23.100円/1回(税込み)
※2回の接種が必要です



これまで当院で扱ってきたのは『ビケン』のワクチンだけでしたが、新たに↑『シングリックス』というワクチンを選べることになりました。

1回接種で済む『ビケン』に比べて、
『シングリックス』は、2回接種する必要があり、しかも(1回の)金額が高い(21.000円+税)ですが、
予防効果も高くなっています
。


                         メープル木更津クリニック




シングリックス



                   ↑シングリックス



喘息・治療 ―2 (配合剤・Reliever)


① ICS
  + LABA
(長時間作用性β2刺激薬)


抗炎症+気管支拡張

喘息の長期管理(step 2以上)にはICS+LABA。

アドエア、シムビコート、フルティファーム、レルベア、アテキュラ

 

低用量

中容量

高容量

アドエア

DPI

100μg製剤

1吸入1日2回

250μg製剤

1吸入1日2回

500μg製剤

1吸入1日2回

シムビコート

DPI

1吸入1日2回

2吸入1日2回

4吸入1日2回

②LABA
  + LAMA
(長時間作用性抗コリン薬)

気管支拡張が2種類。COPDに適応がある。

<注>COPDに対してroutineにICSを使用する必要はない。COPDに対する第1選択はLAMA(スピリーバ、シーブリ等)とする(場合が多い)。単剤が不十分であればLABA+LAMA。ICSは喘息・COPDオーバーラップ(ACO)の場合や血中好酸球300/μL以上で用いる。

ウルティブロ、スピオルト、アノーロ、ビベスピ



■吸入器に関して
/pMDIと自己吸入によるDPIがある。

① pMDI:pressurized Metered Dose Inhaler(加圧噴霧式定量吸入器)

ガスの圧力で薬剤を噴射する。吸入するときは、薬の噴射と薬を吸い込むタイミングを合わせる必要がある。

② DPI:Dry Powder Inhaler(ドライパウダー定量吸入器)

粉末の薬剤を、自分で吸い込むタイプの吸入器。

高齢者・女性など吸入速度が低い場合はpMDIが適する。

③ ICS + LABA
  + LAMA


トリプル製剤。Step 3・4の治療に。

テリルジー、ビレーズトリ、エナジア

テリルジー

DPI

 

100μg製剤

1吸入1日1回

100μg製剤

1吸入1日1回

又は、

200μg製剤

1吸入1日1回

200μg製剤

1吸入1日1回

 

 

 

 




●発作時に、メプチンエアー(10μg吸入100回)・メプチンスイングヘラー(10μg吸入100回)/サルタノールインヘラー(1回噴霧200μg約100回) =(SABA屯用) …1回2吸入、
20分ごとに3回(1時間に計6吸入)までOK。
5分以内に効果発現、20分で最大効果を発揮する。



喘息吸入 これも使いやすい









●これも載せておこう。

急な発作はメプチンで決まり!








A4横を強引に縦にしたので、少し読みにくいかも。










喘息・治療 ―1(成分とその作用)


 

特徴

単剤の主な一般名

 

β刺激薬  
カテコラミン(ドーパミン、アドレナリン、ノルアドレナリン/エピネフリン)の受容体にはαとβが存在し、βには3種類存在する。心臓にβ1受容体、気管支にはβ2受容体が分布する。

β2受容体を介する気管支拡張だけでなく、β1受容体を介する心刺激作用がある。

アドレナリン/ボスミン

エピペン

エフェドリン

β2刺激薬

【作用】気道平滑筋の弛緩、気道分泌物の排泄促進

β2選択性は高まっているが、それでもβ2受容体を介する振戦は認めうる。

【副作用】振戦、動悸、頻脈、筋攣縮、K↓

SABA

(短時間作用型)

β2受容体の選択性が高く心刺激作用は少ない。
増悪治療の第1選択。

【吸入】メプチンエアー、サルタノール/サルブタモール(メプチンは、吸入はSABA、内服はLABAとして使われる)

【錠剤】ベネトリン、ブリカニール

LABA

(長時間作用型)

作用が12時間以上持続し、喘息・COPDの長期管理に使用される。

【吸入】セレベント(サルメテロール)、オーキシス、オンブレス

【経口=長時間作用型】メプチン錠、ホクナリン錠、スピロペント錠

【塗布剤】ホクナリンテープ

抗コリン薬 
(副交感神経遮断薬)

【作用】迷走神経から遊離されるアセチルコリンのM3受容体活性化を阻害し気管支拡張作用を示す。

【副作用】口喝

【禁忌】閉塞隅角緑内障、排尿障害を伴う前立腺肥大

SAMA

(短時間作用型)

喘息発作の治療ではSAMAはSABAに比べて気管支拡張作用が弱く、第1選択ではない。

【吸入】
アトロベント・エアゾル

【略語】

短時間作用型β2刺激薬(SABA:Short Acting β2 Agonist)

長時間作用型β2刺激薬(LABA)

短時間作用性抗コリン薬(SAMA :Short-acting muscarinic antagonist)

長時間作用性抗コリン薬(LAMA)

LAMA

(長時間作用型)

長期管理で使用する際はICSとの併用が必須。LAMA単剤は、LABAが使用しづらい症例に有効。

【吸入】
スピリーバ、
シーブリ

エリクラ、エンクラッセ

吸入ステロイド(ICS)

【作用】炎症・気道過敏性の抑制

【副作用】嗄声、口腔・咽頭カンジダ⇒うがいせよ。

気道への炎症細胞浸潤を抑制、血管透過性亢進の抑制、粘液分泌抑制

吸入器/pMDIと自己吸入によるDPIがある。高齢者・女性など吸入速度が低い場合はpMDIが適する。

パルミコート、
フルタイド、

キュバール、
オルベスコ、

アズマネックス、
アニュイティ

●急性増悪時には、脱水症の治療と並行してベタメタゾン(リンデロン)4~8mgを30分かけて点滴静注。

LTRA
(ロイコトリエン受容体拮抗薬)

気管支拡張、気道炎症抑制。

単剤でも使用可能。安全な薬剤である。

ブランルカスト(オノン)2T分2

モンテルカストNa(シングレア、キプレス、モンテルカスト)1T    寝る前

テオフィリン薬
(キサンチン誘導体)

【副作用】悪心・嘔吐、動悸、頻脈

気管支拡張作用、粘液線毛輸送能の促進、抗炎症作用。その他の治療で効果不十分な場合の追加使用が推奨されている。

【経口】テオドール錠/テオロング錠/テオフィリン徐放錠・カプセル

ネオフィリン(アミノフィリン)錠/注 
            

●急性増悪時には、補液・リンデロン投与と並行してアミノフィリン250㎎を1時間で投与する(すでに経口テオフィリン薬を内服している場合は125㎎位まで)。

 


喘息治療薬 吸入の一覧、わかりやすい




●これもついでに。






喘息の症状と治療のstep

喘息の治療ステップ これが分かりやすい




治療しても「週1回以上発作あり」「年1回以上増悪受診・救急受診あり」なら「コントロール不十分」。



 

喘息治療のstep

 

Step 1

Step 2

Step 3

Step 4

基本の治療

吸入ステロイド(低用量)

吸入ステロイド(低用量)

或いは、配合剤*

配合剤**、
或いは

吸入ステロイド(中容量)

配合剤**、
或いは

吸入ステロイド(高容量)



上記で不十分な場合など

上記が使用できない場合、以下のいずれかを使用する。

 

LTRA

テオフィリン徐放性剤

上記で不十分の場合、以下のいずれかを併用する。

 

LABA

(配合剤も使用可)

LTRA

テオフィリン

上記に、下記のいずれか1剤、あるいは複数を併用する。

 

LABA、LAMA

(配合剤も使用可)

LTRA

テオフィリン

下記の複数を併用する。

 

LABA、LAMA

 (配合剤も使用可)

LTRA

テオフィリン

経口ステロイド

抗IgE抗体


追加治療


LTRA
以外の抗アレルギー薬


増悪時の治療


SABA
(メプチン)


SABA

シムビコート使用時にはそれを増悪時に使用可。


SABA


●配合剤 
(1)Step 2で使用する配合剤*は、アドエア、シムビコート(ICS+LABA)


(2)Step 3・4で使用する配合剤**は、テリルジー(ICS+LABA+LAMA=『トリプル製剤』)

●LTRA =オノン(ブランルカスト)、シングレア/キプレス(モンテルカスト)

●SABA =メプチン、サルタノール。1回1~2吸入を20分間隔で3回まで(計1時間に6回まで)。







<解説>

軽い喘息が月
1回未満しか生じないなら、
長期管理薬不要で屯用の
SABAのみ。
月1回以上発作が出る場合の長期管理にはICS吸入だが、
吸入が難しいか吸入による副作用が懸念される場合にLTRAで代用できる(Step 1)。
週1回以上ならICS・LABA低用量、±LTRA・テオフィリン(Step 2)。発作がほぼ毎日なら、ICS中~高容量+LABA併用、±LAMA(『トリプル製剤』も可能)・LTRA・テオフィリン(Step 3)。


■未治療患者・治療中断者
(入院不要例)の治療導入期には、中等量ICS/LABA、±LTRAで開始し、その後再評価してstep up/downする。











●治療方針をはっきりさせると、こんな感じ。
これに従って治療するだけ。

秘技があるわけではない。




























●





虫垂炎の可能性

 


 (右)下腹部痛では、必ず虫垂炎の可能性も考慮します。

実は、虫垂炎の診断は難しく、
エコー検査や触診をしても必ず見つかるわけではない。

そこで診察方法は、

「幾つか所見を調べて幾つ以上なら怪しい」(スコアがある)

という判断になります。

怪しい所見が多いなら、
 容易に「虫垂炎でしょう」と説明して治療し始める事が出来ます。
 しかし、虫垂炎を疑う所見が少ないときは、診断が難しく、
 虫垂炎の治療をするかどうかの判断に困ります。

そこで当院では、
 虫垂炎を少しでも疑った段階から早めの治療をすることとし、

早速診断した当日から治療を始め、
翌日再来するようお願いします。

翌日までの症状の変化で重要なポイントは、

1.  痛みが右下腹部に限局する

2.  痛みが酷くなる

です。

しかし、虫垂炎の進行は時に非常に早い場合があり(特に子供に多い)、

もし今晩痛みが特に酷くなったら、
夜中でも救急車を呼ぶしかありません
。
 昼間に診察した時点では、
 将来の事(その日の夜にどうなるか)は予測できません。

以上をよくご理解いただき、治療にご協力下さい。


     【参考】

虫垂の位置 -1



        後ろに隠れていると、診察でもよくわからない。

     エビデンス・レベル Evidence Level



エビデンスとは「医学的な根拠」という意味である。

エビデンスの「レベル」とは、ガイドラインが推奨する検査法や治療法が、
信頼できるエビデンスによってどの程度実証されているのかを示す指標である。

●学術的な研究には、必ず「バイアス」(統計用語で、「偏り」という意味)が存在する。

ある実験(や調査)をする際には、次の要素が入り込む余地がある。

■たまたま偶然にすべて上手くいった
■作業・実験・処置等をする人物の手技が上手いから成功した/下手だったから上手くいかなかった
■失敗する可能性が高い対象(患者さん等)を(たまたま?)排除していた
■論文に載せるデータから失敗した症例を排除した       ←これはデータの改ざん


つまり、「エビデンス・レベル」は、
このバイアスができるだけ排除されるほど「エビデンスレベルが高い」すなわち「信頼できる」、という評価になる。


エビデンスレベル  -1

 



メープル木更津の「自由診療のblog」で、
こちらがミノキシジルの解説をしました。
その際、
ミノキシジルを主成分とする降圧薬「ロニテン」に関して、
薬の能書き(いわゆる「添付文書」)を丁寧に解読しています。

添付文書は(日本であれば薬事法第52~54条において)
医薬品の製造販売時に製造販売業者が 作成して1つ1つの薬に添付するよう義務付けられており、
法律で定められている 文書という意味では、
数多くある薬の情報源の中で、
唯一法的根拠のある薬の情報と言 われています。

添付文書はどこの国においても、
法的根拠があるとして認められていると考えていいでしょう。


ロニテンの添付文書を丁寧に解説した当院の説明は、
単なる個人的な意見(例えば「ミノキ2.5㎎は安全だが5mgはやめとけ」とか)よりも、
はるかに説得力は高いはずです。








 

アニサキス症の原因は、イカかサバのどちらかだろう。

ちなみに、俺は2回ともイカだった。

 

 

 

1回目はー

 

H29年9月8日の午後2時頃に、

Kイオンモールに行って2階の
『〇×ごはん △の穂まれ』で、

海鮮丼ぽいものを食べた。

ま、メニューはみな海鮮丼ぽい。

俺が食べたのはマグロとイカが入ってた。

で、夜10時半ごろからお腹が痛くなりだして、

11時台には激痛、

あまりに痛くて「気にしないで寝る」というわけにも行かず、

当番医を家族に調べてもらって行ったのがH病院。

時刻は深夜1時半ごろ。

当直医は、
その晩千葉大から来ていたというバイトの外科医だった。

造影CTで「内視鏡が無理な場所」と言ってたが、

そもそも深夜に内視鏡など出来ない
(その医師が「深夜帯に内視鏡は無理なので」と言ってた)。
(ちなみに、造影CTは俺がH病院から借りている形で、
今も自宅にある。
その日付が「平成29年9月9日」になっている)

俺は生来健康だし、急性膵炎や胆嚢胆管炎のはずがない、

食事内容から勝手に「アニサキス症」と確信してたし、

食事内容を聞いてその外科医も理解したようで、

「いい方法があります」と言われてやったのが「強ミノ静注」。

こちらは体を二つ折にして悶えていたが、

静注後すぐに楽になって、
救急の処置室のベッドでそのまま眠りについた。

そもそも、3~4時間ずっと痛みに耐えていたので、

もう疲れてぐったりしていたのだ。

痛みをこらえるのも体力を消耗するものである。

朝になって目が覚めて、

プレドニン5㎎2錠を処方され、帰宅。

1日1錠を4日間内服すると言われていたので、

2日後、残り2日分(2錠)を貰いにはぎわら病院に行ったら、

「担当の外科医がいない」と言われて受診を拒否された。

2日飲んで痛みが(無くなったわけではないが)和らいでいたので、

じゃあいいよ、と帰ってきた。

 

 

2回目はー

 

一昨年(2018)4月、

家族から「美味しかったよ」と勧められて、

晩御飯時(夜8時くらい?)に木更津市東太田にある
『やきとり居酒屋〇×△』に入った。

ややわかりずらい場所にある。

それなりの繁盛店で、家族が予約してあったと思う。

その日もやはり混んでいて、

食材がいろいろ欠品していたようだった。

メニューに「海鮮爆弾」(だったか?)というのがあり、

ウニ?イクラ?が入っているらしくて注文したら、

店の人が「食材が足りないので値段を少し下げる」と言って、

イカが多めの小鉢を出された。

この日、海鮮ものを食べたのはこれだけ。

で、翌日の明け方から痛くなり、

自宅から近いOB医院を受診し、

事情を話して「強ミノ+プレドニン」で治療して貰った。

強ミノ静注で痛みがスッと消えていった。

こんな治療で痛みが軽減するのだから、

これはアニサキスである。

その頃、こちらは開業したばかりで、

午後から外来だったが、

何とか間にあった。

 

 

やきとり居酒屋 かすり メニュー

  
         【画像】俺が食べたメニューはこの中には見当たらない。

 


昨年暮れ、医師会の会合で、
OB先生にお会いして御挨拶した。

内科を標榜するこちらがアニサキスになって、

俺はなんとなくバツが悪かった。

俺はもともとサバは食べないので、

以後は生のイカを食べないようにしている。

 

それともう一つ。

こちらのクリニックには、

強ミノを1箱(10A)常備してある。

強ミノ静注でショックの報告があり、
俺はあまり積極的には使わない薬だ。

当院で備える理由は、

もっぱら自分が3回目になった場合に備えて、である。

 

 

当該文献はこちら。



 

 

 

日医大医会誌 2012; 8(2) 179

―速 報―

アニサキス症のユニークで簡便な治療法


山本 馨1  栗原 毅2  福生 吉裕3

1 大島医院,宮城
2
栗原クリニック東京・日本橋,東京
3
財団法人博慈会老人病研究所,東京

 

A Unique and Simple Treatment Method for Anisakiasis




『(大幅に前略)

 胃アニサキス症の基本的治療は,上部消化管内視鏡 にて胃壁に刺入している虫体を摘出する方法であり, これで実際速やかに激痛は軽快する.しかし,離島であるため十分な医療設備は整っていなく,また医師不足で上部消化管内視鏡にて胃壁にある虫体の摘出術を施行することは困難である.

 

 山本は臨床経験から「アニサキス症での激烈な腹痛はアニサキス虫体からの分泌物が原因のアレルギー症状」と考え,平成元年から平成 23 年の期間で,190 例(年齢:50 歳から 70 歳)の胃アニサキス症の症例 に対して,抗アレルギー剤(「強力ミノファーゲンC」Stronger Neo-Minopharen C:SMNC)40 mL を 1 回静注するとと も に predonisolone 5 mg日を 4 日間経口投与することにより, 胃アニサキス症の腹痛(心窩部痛)が速やかに軽快す るという良好な結果を得た4,5.

 

共著者の栗原も,激しい間歇性の心窩部痛で来院し た 51 歳の男性を診察した.6 時間前にサバを摂取し ており,胃アニサキス症を疑い SNMC を 40 mL 静注 したところ,速やかに疼痛は消失した.Predonisolone を 5 mg 服用させ,24 時間後に上部内視鏡を施行した ところ,胃体中部前壁にアニサキスが刺入しているも 心窩部痛は認めていない(写真 1=略).このように,SNMC とステロイド剤が胃アニサキス症に有用であることを 経験した.

 

SNMC は,甘草の主要な成分である glycyrrhizin を含む注射剤である.日本においては,1948 年以来, 即効性が特徴のアレルギー性疾患の治療薬として使用 されている.そして,寄生虫感染は IgE を介したア レルギー反応であり,それに対しての SNMC の効果 が確認されている6.

 

 今回,胃アニサキス症に対しては,上部内視鏡によ る虫体摘出術ではなくても,SNMC の単回投与とステロイドの併用で治療が可能であると考えられる.』

 

 

文献(省略)

 

(受付:2011 年 12 月 13 日)

(受理:2012 年 2 月 6 日)

 

 


治療方法は、
強ミノ1A静注+プレドニゾロン5㎎/日×4日、
である。




診察にあたっては、
腹部の触診で板状硬無し、腹水無しを確かめ、
胃潰瘍の既往位は聞いておくほうがいい。




山本馨 アニサキス治療




【画像】山本馨医師


アニサキスの生活史




アニサキスは人間の体の中では約1週間で死んでしまうので、

虫体を摘出できなくても対症療法だけで軽快する。

アニサキス症での激しい腹痛は
アニサキスからの分泌物が原因のアレルギー症状
という考えがあり、

実際、抗アレルギー薬、ステロイドで対応できる。



 

 

ステロイドがアニサキス症の激痛を速やかに軽減

2016/08/25

 岩手県立宮古病院消化器内科長の齊藤慎二氏。

薬物治療によるアニサキス症の症状緩和は、

大島医院(宮城県気仙沼市)院長の山本馨氏が20年以上前から実施している治療法。

 

 山本氏は、アニサキス症の腹痛は、虫体の分泌物による局所の即時型アレルギーが原因と考え、

20年以上にわたり190人の胃アニサキス症患者に対して、

ステロイドと抗炎症薬を併用する治療を行い効果を確認している。

具体的には、

デキサメタゾン(商品名デカドロン他)1.65mgと生理食塩水20mL、

抗炎症薬として強力ネオミノファーゲンシー(グリチルリチン・グリシン・システイン)20mL

を静注している。

 

 齊藤氏は、山本氏の報告を聞いたことがきっかけとなり、
アニサキス症にアレルギー治療を取り入れた。

山本氏は、薬物療法のみを実施しているが、

岩手県立宮古病院では薬物療法で症状を緩和した後に虫体を除去している。

 

 沿岸部にある岩手県立宮古病院には、年間10人程度のアニサキス症患者が救急受診する。急性の激しい腹痛を訴え、超音波検査やCT検査で胃壁や腸管壁の肥厚や腹水が見られ、魚介類を生食した食事歴があるなど、アニサキス症が疑われる患者に対して、齊藤氏はまずステロイドと抗炎症薬を併用して症状の緩和を図っている。内視鏡的虫体除去術は患者の状態が落ち着いた後に行う。

 

 齊藤氏は「夜間で内視鏡が速やかに施行できない場合や、内視鏡の準備をしている間、これまでであればペンタジンなどの鎮痛薬を投与してしのぐしかなかったが、ステロイドなどの投与で速やかに症状緩和ができるのは患者にとっても、医療者にとっても朗報」と薬物療法の効果を評価する。

 

 症状があまり強くなければ、ベタメタゾン・d-クロルフェニラミン(商品名セレスタミン他)とケトチフェン(ザジテン他)の内服薬を処方し、

一旦帰宅してもらい、翌日に内視鏡術を行う場合もあるという。

 

(以下、略)

 

 

強力ネオミノファーゲンシー




●強ミノ静注と、ステロイド内服4日間で十分だった。






「アニサキス」を調べると、

内視鏡を売りにしているクリニックが
声をそろえて

「内視鏡で取りましょう!」と連呼しているが。

 

次は、

平成30年2月の、医師国家試験問題。

 

112A-55


 35
歳の男性。アジ、イカなどの刺身を食べた後に出現した上腹部痛を主訴に来院した。生来健康である。意識は清明。身長170cm、体重66kg。体温36.1℃。脈拍64/分、整。血圧118/78mmHg。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦で、心窩部に圧痛を認めるが、反跳痛と筋性防御とを認めない。便通に異常はない。緊急上部消化管内視鏡像を別に示す。

この疾患について正しいのはどれか。

 

a 夏季に多い。

b 腸での発症が多い。

c 魚類摂取後24時間以降に発症する。

d プロトンポンプ阻害薬が有効である。

e 病態には即時型アレルギー反応が関与する。


112A-55  医師国試 アニサキス



 




正解はeで、正答率76%。

 

 

ところで、アニサキスのせいでなぜ激痛になるのか?

その理由は、治療方法に直結するので、重要だ。

 

「アニサキスが胃の壁に食いついているから痛い」説は、
現在、否定的である。



その理由は

①生検鉗子で胃の壁を削っても全く痛くない

②健診で無症状の人に胃カメラをやった際にアニサキスが壁に食いついているのがたまたま発見されることがある

 

自分の経験として、数年前に胃の内視鏡検査をしてもらい、

その場でポリープ2個を切除してもらった時も、

まったく痛みはなかった(それどころか触覚さえ無し)。

 

実は、

アニサキスで激痛を訴える人にステロイドを点滴すると、
痛みが治まる
ということが分かったので

「アニサキスが痛いのはアレルギーによるものである」という説が主流になった。

国試がI型アレルギーと言っているんだ、
アニサキスによる激痛はI型アレルギーなのだ!

 

 

アニサキス自体を(内視鏡で)確認しなくても、

新鮮なイカなどを食べていて、
この病気が強く疑われる場合は、
抗アレルギー治療、
すなわち

抗コリン薬、抗ヒスタミン薬、ステロイド薬の投与によって症状は軽快し、
予後は良好である。

 


 

●正露丸が効く、という怪しい説があった。

これまでアニサキス症に特異的に効果のある治療薬はないとされてきましたが、木クレオソートを含有する正露丸の内服により、胃アニサキス症の症状である強い上腹部痛が消失した症例が報告されています。これは木クレオソートがアニサキスの活動を抑制するためと考えられています。

 
胃壁を食いちぎって痛い、
という推測だが、

これはテキトーな理由ズケだ。
効果も怪しい。



 

●次は偉い先生の対談。

中村 食後3~4時間して急な腹痛、 特にみぞおちの痛み、心窩部痛、嘔気 や嘔吐で発症するというのがほとんど です。

山内 これは虫が胃の中に入って痛 みが出てくると見てよろしいのでしょ うか。

中村 虫体が胃壁に突き刺さる(刺入と申しますけれども)ことで症状が 出る。物理的に刺さるだけではなくて、 蚊に刺されたときに膨疹をつくるよう に、ちょっとアレルギーの関与もあるのではないかと思います。

 

誤解がある。

 

 

●次はネットで見つけたもの。

治療については皆さんが勉強されている通り「摘出」でいいです。

前述の通りステロイドで症状は治まるので、

とりあえずステロイドを使うという施設も出てきているようですが、

そのような場合でも後々やはり内視鏡はするのが一般的です。

アレルギーの基本は抗原からの回避ですし、

本当にアニサキスと判断するためにも
内視鏡はすべきだと私は思います。

 


やらなくていい。

症状が軽快すれば内視鏡は不要。
そもそも、
内視鏡してもらうのも大変だぞ。
医者の側なら、
飯のタネだから「やりましょう」でいいが、
患者側からすれば難儀なことだ
。
胃に内容物がある場合は内視鏡は出来ないし、
深夜や祝祭日では病院側としても内視鏡はしずらい。
静脈注射と内服で済めば楽でいい。





ショックがひどく無い、
治療後何も起きない
(腸閉塞、消化管穿孔ではない)なら
(大抵は大丈夫)、
抗アレルギー薬の点滴・内服治療のみでOKだ。

内視鏡はしなくていい。


 

 


ワクチンの接種間隔の規定変更


 令和2年10月1日から、異なるワクチンの接種間隔について、

注射生ワクチンどうしを接種する場合は27日以上あける制限は維持しつつ、その他のワクチンの組み合わせについては、一律の日数制限は設けないことになりました。

予防接種の投与間隔、10月1日以降


(1)異なる種類のワクチンを接種する際の接種間隔のルール

● 「注射生ワクチン」の接種後27日以上の間隔をおかなければ、「注射生ワクチン」の接種を受けることはできません(変更なし)。

● それ以外のワクチンの組み合わせでは、前のワクチン接種からの間隔にかかわらず、次のワクチンの接種を受けることができるようになりました。

● 接種から数日間は、発熱や接種部位の腫脹(はれ)などが出ることがあります。ルール上接種が可能な期間であっても、必ず、発熱や、接種部位の腫脹(はれ)がないこと、体調が良いことを確認し、かかりつけ医に相談の上、接種を受けてください。

ワクチンの種類について

1.注射生ワクチン:
 麻しん風しん混合ワクチン・水痘帯状疱疹ワクチン・BCGワクチン・おたふくかぜワクチン など

2.経口生ワクチン:ロタウイルスワクチン など

3.不活化ワクチン:
ヒブワクチン・小児用肺炎球菌ワクチン・B型肝炎ワクチン・4種混合ワクチン・

日本脳炎ワクチン・季節性インフルエンザワクチン など



(2)同じ種類のワクチンの接種を複数回受ける際の接種間隔のルール

● 同じ種類のワクチンの接種を複数回受ける場合、ワクチンごとに決められた間隔を守る必要があります。


帯状疱疹のワクチン接種(予約制)

        50歳以上の方


 水ぼうそうにかかったことがある人は、すでに水痘(すいとう)・帯状疱疹ウイルスに対する免疫を獲得していますが、年齢とともに弱まってしまうため、改めてワクチン接種を行い、免疫を強化することで帯状疱疹を予防します。

水疱瘡から帯状疱疹へ



帯状疱疹の皮膚の症状が治まった後も長期間にわたって続く痛み(帯状疱疹後神経痛(PHN)といい、加齢とともに帯状疱疹後神経痛(PHN)への移行リスクは高くなり、50歳以上の患者さんの約2割が移行します。PHNの症状が残ると日常生活に支障をきたすことがあるため、できれば帯状疱疹の発症を予防し、発症してしまった場合には早めに治療を開始することが重要です。



●帯状疱疹ワクチンについて

1.接種回数は1回、費用は自己負担で7.700円(税込み)です。

2.ワクチンを1回接種すれば5年程効果が持続し、発病は5年間で51.3%減少、たとえ帯状疱疹になっても重症例は61.1%減少、帯状疱疹後神経痛の発症率も66.5%減少します。

3.問診を取り医師が接種可能と判断した場合に接種出来ます。持病がある、体調が悪い、最近他のワクチンを接種した方は延期または中止します。ワクチンの取り寄せが必要なので、接種希望の10日前までに電話で予約をして下さい。
 なお、ワクチン接種から免疫が付くまでには約1ヶ月かかります。副反応の主なものとして、接種部位が腫れることなどがあります。


●接種を受けることができない方

1.免疫機能に異常のある疾患を有する方

2.免疫抑制をきたす治療(副腎皮質ステロイド剤及び免疫抑制剤など)を受けている方

      <例>喘息治療のステロイド吸入薬を使用中

3.妊娠している方

       
                              メープル木更津クリニック

めまい(眩暈)


 めまいは大きく分けて、
 ぐるぐる回る「回転性めまい」や、
 ふわふわする「浮動性めまい」、
 立ったり歩いたりするとふらつく「平衡障害」
などがありますが、
患者さんが言う症状から原因疾患を探すのは難しいことが多い。

まずは脳卒中などの中枢性の疾患を除外します。

 めまいに加えて頭痛や首の痛みがあれば小脳の疾患(小脳出血や小脳梗塞)を疑うきっかけになりますし、
 ろれつが回らない、麻痺やしびれがある
といった場合は一大事、必ず頭部MRI検査が必要で、
すぐに救急車を呼びましょう。


めまいの診断分類  -1 


中枢性の疾患ではなさそうだ、と分かった後はー

●最も多い「良性発作性頭位めまい症」は、起き上がる時など頭の向きを変えた際に回転性めまいが突然起こります。持続時間は30秒から1分ほどで、耳鳴りや難聴の悪化はありません。

●「メニエール病」は、めまいの他に耳鳴りや聞こえにくさなどがあり、何度も繰り返します。原因は内耳のむくみによると考えられ、ストレスなどによって誘発されます。

●耳の不快感があるもので特に注意しなければならないのは「突発性難聴」です。突然片方の耳が聞こえなくなり、ひどい場合は回転性めまいを伴います。できるだけ早くに治療を開始しないと難聴が治りづらくなり、1カ月以上経つと聴力がほとんど戻らなくなるため、早めに耳鼻科を受診してください。

●「前庭神経炎」も難聴の悪化は伴いませんが、こちらは安静にしていても強いめまいが数日間続きます。風邪のあとに発症する場合があり、数週間ほどふらつきが続きます。







繰り返すむくみ


  女性の方で
(男性でもありえますが)、

 たまに、顔(特に目の周囲、唇)や手足、外陰部が腫れることはありませんか?


 熱感や痛み、かゆみを伴わないことが特徴です(腸管がむくむと下腹部痛を繰り返します)。

症状は通常2~5日で自然に消失します。

きっかけは、精神的ストレスのほか、外傷や抜歯、発熱、過労などの肉体的ストレス、妊娠、生理、内服薬が誘因となることが知られています。

家族歴があることもあるし、ないこともあります。

血管性浮腫  --1



一度ご相談ください。
症状が出ているときに採血すると、診断が確定することがあります。




bristol_scale_便形状スケール


 

便秘でお困りの方へ


 大前提として、毎日排便する必要はない、週3回排便があればいい

ことを、認識してください。
 排便にばらつきがあってもよいのです。


これを理解した上で、便秘でお困りの場合は、
下剤を使わないときの便の硬さと、「努責・残便感・閉塞感」の有無で、対処方法を区別します。


(1)便の硬さが普通の場合  =生活指導、次にカマ


 ブリストル便形状スケール(BSFS)=上図=のタイプ3~5の場合は、便通の頻度は正常でも排便後の爽快感がないことが多い。そのため、便に適度な硬さと体積を持たせることが重要。

 まずは以下の生活習慣―

①十分な水分摂取(≧1.5L/日)と食物繊維(*)を摂る

➁1日3回の食事(特に朝食を抜かない)と、適度の運動

➂食後に生じる便意を無視しない。 
    ⇒この機にちゃんと排便する!


 (*)食物繊維とは「ヒトの消化酵素で分解されない食物中の総体」です。

●食物繊維を多く含む食材

穀類 =玄米、胚芽米、麦めし、とうもろこし

豆類 =煮豆(大豆、うずら豆、あずき)、納豆、おから

芋類 =さつまいも、里いも、こんにゃく

野菜 =ごぼう、ふき、セロリ、アスパラガス、青菜類、キャベツ、白菜

果物 =柑橘類(みかん、グレープフルーツなど)、バナナ、うり類

きのこ類 =しいたけ、しめじ、えのき

海藻類 =わかめ、寒天、ところ天


■以上を守ったうえでさらに改善しない場合、便を柔らかくする『緩下剤』(酸化マグネシウム、通称「カマ」)を内服します。


①酸化マグネシウム  1日1回(寝る前)の服用でもよい
         (毎食後飲まなければいけないわけではない)。


■カマが無効あるいは飲めないときは、

➁アミティーザ(分泌性下剤) 1T朝から始めて、2w後に2T分2へ。排便のリズムを整えます。



■ここまでやって効果が無いときにはじめて、

➂大腸刺激性下剤(アローゼン=センナ=プルゼニド、ラキソベロン)を屯用で使う
   (連用すると効果が落ちる)。




(2)便が硬い場合      =最初からカマ

 便が大腸を通過するのに時間がかかっていることを意味し、食物繊維を多くとると大腸内の便の容積が増して症状が悪化するので、最初から酸化Mgやアミティーザで治療を始める。
 それで効果が無いときにはじめて、大腸刺激性下剤(アローゼン=センナ=プルゼニド、ラキソベロン)を屯用で使う(連用すると効果が落ちる)。




(3)便排出障害 =努責、残便感がある場合。レシカルボン坐剤や浣腸を適宜行う。



認知症治療
何がいけなかったのか?     -1
【問題】

 

以下はある患者の治療の失敗例である。主治医は南国の脳外科医。
どこが失敗だったのか?


 

<治療例>81歳男性 アルツハイマー型認知症疑い


初診時

昨年10月から、自動車の運転などできなくなった。
徘徊も一時期あったが、今は落ち着いていると。

診断を『レビー小体型認知症成分の多いアルツハイマー型認知症』で考えておく。

表情は暗く、視線が合わない。歩行時に手を振らない。

レミニールで易怒性亢進し、中止の過去あり。

イクセロンパッチ4.5㎎/日開始。レンドルミン併用。

初診から3週間後

 おだやかになった、暴力がなくなった。デイサービスを全く嫌がらない。
レンドルミンでしっかり眠れている。 

イクセロンパッチ著効例。右上肢でrigidあり。
歩行は安定。4.5mgで継続。掻痒感なし。

更に4週間後
全体的には好調を維持。
眠剤がないと落ち着かない。
ショートステイで落ち着かない。
帰ってきてから怒りっぽくなり放尿したりすると。
前頭葉機能がストレスで低下するパターン。
イクセロンパッチを増量してみましょうか。
掻痒感はない。夕方になると、「お客さんが来る」と布団をしく。
これには抑肝散で対応。

増量から10日後
予定日より大幅に早く来院。
イクセロンパッチを9mgに増量したが、その数日後から徘徊が始まった。

怒りっぽくなった。奥さんの腕には痣が出来ている。

夕方になると来る「お客さん」のことは言わなくなったと。これは抑肝散効果だろう。
入室時の足取りはしっかりしているが、手は振らない。
視線も合わない。返事はしっかりするが。
イクセロンパッチを一旦中止に。
その場で貼っていたパッチは剥がした。

4日後に再診を指示した。落ち着いていたら4.5mgで再開かな。

眠剤はベンザリン7.5mgにしてみる。

更に4日後
徘徊と易怒性が収まらない。
家族は疲弊しきっており、入院させて欲しいと
。
近くの精神科病院に保護入院を依頼。



【担当医の考察・反省】治療の分岐点は?

病型診断はATDかDLBで悩んだが、
結果的にイクセロンパッチ4.5mgが著効したので、

治療の導入としては問題なかっただろう。

問題はその後。
「ショートステイから帰ってくると落ち着かないということは、
環境変化のストレスで前頭葉機能低下をきたすのか?」
という自らの考察に対して、
「では前頭葉機能を賦活すれば落ち着くのでは?」と考えてイクセロンパッチを増量したことが、

徘徊の引き金を引いたのか。
アリセプトが前頭葉ストレッサーとなり得ることは事実だが、

この場合イクセロンパッチが前頭葉にストレスを与えてしまった、
と考える。
イクセロンパッチの半減期は3〜4時間なので、
その場で剥がして数日経過したら落ち着くだろうと考えたが、

4日後では症状は治まっていなかった。
一旦前頭葉に強い負荷がかかると、
薬剤がウォッシュアウトされても症状が速やかに改善しないケースがある、
ということなのだろう。
イクセロンパッチ(リバスチグミン)で歩行が改善したり、
活気が上昇する方達は多い。

これは前頭葉が賦活されることによるものだと考えている。
しかし、陽性症状が強まっているときには、
それを「前頭葉賦活」のイメージで改善させようとするべきではなく、

定石通り少量の抑制系を使用すべきだったと反省した。

 

 

これは治療の失敗例。
次の項で解説する。


 

 リバスタッチ   -1

 

 

認知症治療

何がいけなかったのか?
-2   【解説】

 

81歳男性 アルツハイマー型認知症疑い


DSC_1239



初診時(図でのA)
昨年10月から、自動車の運転などできなくなった。

徘徊も一時期あったが、今は落ち着いていると。

レビー小体型認知症成分の多いアルツハイマー型認知症で考えておく。

表情は暗く、視線が合わない。歩行時に手を振らない。

レミニールで易怒性亢進し、中止の過去あり。

イクセロンパッチ4.5㎎/日開始。 ←そもそも最初から4.5㎎で行かなくてもよかった。
レンドルミン併用。 
     

 

初診から3週間後(B、このころは急速に回復傾向、しかし4.5㎎では多すぎた)

おだやかになった、暴力がなくなった。デイサービスを全く嫌がらない。

レンドルミンでしっかり眠れている。 

イクセロンパッチ著効例。右上肢でrigidあり。

歩行は安定。4.5mgで継続(失敗1)。
           ←効果が出たところで減量すべきだった。「適量」と誤解した。

 

更に4週間後(C、「適量」を超えてやり過ぎになった、ここで量を減らすべき)
全体的には好調を維持。
眠剤がないと落ち着かない。ショートステイで落ち着かない。  ←重大な警告だった

帰ってきてから怒りっぽくなり放尿したりすると。       ←同上

前頭葉機能がストレスで低下するパターン。 ←違う。過活動でオーバーヒートしている状態だった。
イクセロンパッチを増量してみましょうか(失敗2)
。     ←これが大失敗。真逆だ。

掻痒感はない。
夕方になると、「お客さんが来る」と布団をしく。
これには抑肝散で対応。

 

増量から10日後(E、危険水域をはるかに過ぎて、手が付けられなくなっている)
予定日より大幅に早く来院。
イクセロンパッチを9mgに増量したが、その数日後(D)から徘徊が始まった。   
                      ←Dは、危険水域に突入した日。

怒りっぽくなった。

奥さんの腕には痣(あざ)が出来ている。   ←暴力的にさえなったのだ。とんでもない。

夕方になると来る「お客さん」のことは言わなくなったと。これは抑肝散効果だろう。
入室時の足取りはしっかりしているが、手は振らない。

視線も合わない。返事はしっかりするが。              ←どうでもよい。
イクセロンパッチを一旦中止に。その場で貼っていたパッチは剥がした。 ←今更…(^-^;

4日後に再診を指示した。落ち着いていたら4.5mgで再開かな。   ←駄目だ!!多過ぎ。

眠剤はベンザリン7.5mgにしてみる。

 

更に4日後(F、もう手遅れ)
徘徊と易怒性が収まらない。家族は疲弊しきっており、入院させて欲しいと。
近くの精神科病院に保護入院を依頼。                  ←大失敗

 

 

 

【主治医の考察】治療の分岐点は?

病型診断はATDかDLBで悩んだが、結果的にイクセロンパッチ4.5mgが著効したので、

治療の導入としては問題なかっただろう。

問題はその後。
「ショートステイから帰ってくると落ち着かないということは、
①環境変化のストレスで前頭葉機能低下をきたすのか?」
という自らの考察に対して、
②「では前頭葉機能を賦活すれば落ち着くのでは?」と考えてイクセロンパッチを増量したことが、

徘徊の引き金を引いたのか。
アリセプトが前頭葉ストレッサーとなり得ることは事実だが、

この場合イクセロンパッチが前頭葉にストレスを与えてしまった、と考える。
イクセロンパッチの半減期は3〜4時間なので、
その場で剥がして数日経過したら落ち着くだろうと考えたが、

4日後では症状は治まっていなかった。
一旦前頭葉に強い負荷がかかると、
薬剤がウォッシュアウトされても症状が速やかに改善しないケースがある、
ということなのだろう。
イクセロンパッチ(リバスチグミン)で歩行が改善したり、
活気が上昇する方達は多い。

これは前頭葉が賦活されることによるものだと考えている。
しかし、陽性症状が強まっているときには、
②それを「前頭葉賦活」のイメージで改善させようとするべきではなく、

定石通り➂少量の抑制系を使用すべきだったと反省した。

 

 

勘違い

①落ち着かなくなったことを、
ショートステイという環境変化のせいにしている。

担当医(自分)の薬剤過量投与が原因なのだが。

②薬で前頭葉を賦活化しすぎているのに、
「賦活化が足らない」と誤解した。

➂やり過ぎたのだ、抑制系を投与する前に、
Cの時点で賦活化を思い切って減らすことが必要だった。
薬で持ち上げておいて薬で下げるのはおかしい。




【教訓】
コリンエステラ―ゼ阻害薬は、「足らないものを補う」治療だ。
補い過ぎには常に注意し、
危険な兆候が出た時点で(この例のC)、
投与量を減らす見直しをするべきだった。
或いは、最初から少量(1.125㎎/日)投与で
長い経過をたどって改善していくのが安全だ。



リバスタッチ   -2

 

 

 

脂肪肝を放置していませんか?

人間ドックで「脂肪肝です」と言われて、放置している人はかなりいるはず。

『非アルコール性脂肪肝炎(NASH:ナッシュ)


 飽食、運動不足の現代、肝臓では肝に脂肪が貯まる脂肪肝の人が急増しています。
 人間ドックで 3 人に 1 人が肝障害があり、そのほとんどは脂肪肝が原因です。

 なかでも、
 アルコールを飲まなくてもなる脂肪肝(非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD(ナッフルド))が、

 1000~2000 万人、
 その中で肝炎、肝硬変へ移行する脂肪肝炎(非アルコール性脂肪肝炎 (NASH(ナッシュ))が、
  100~200 万人、日本にいると推定されています。

そして、
 NASHの5~20%が肝硬変⇒肝がん、
 NASHの数%が(肝硬変を経ずに)肝がんになります。


症状も全くないうちに、
脂肪肝 → 肝炎 → 肝硬変 → 肝癌へ
と移行しますので、

早期発見、フォローが必要です。

NASHから肝がんへ   -2

まずは採血。
肝機能検査と、血小板数を調べましょう。
その先は外来で説明いたします
(肝線維化関連の採血と腹部エコー検査をします)。


LOH  導入


当院での治療の流れ

 

●問診 =LOH症候群の診断のための問診票、および睡眠時無呼吸症候群の検索をします(原因・症状が関連しているため)。



●血液検査

遊離テストステロン(男性ホルモン)と、他の性腺に作用するホルモン計測、甲状腺機能低下症の除外診断。

<注意>テストステロンの採血は、午前中にするべきですので、検査希望の場合は午前中に受診して下さるようお願いいたします。


肝機能検査  …男性ホルモン投与により肝障害・多血症を生じる場合があるため定期的に検査が必要。

糖尿病・脂質代謝異常の検査。

前立腺特異抗原(PSA)  …前立腺疾患がないかを調べます。
超音波検査      …前立腺のサイズを調べます。

 


 

●ホルモン補充療法の適応があるか判断します。

ホルモン補充療法(テストステロン補充療法、TRT)の対象は40歳以上の有症状の男性で、日本では注射のみが保険適応となっています。
 通常2週間おきに125mg~250mgを筋注することで臨床効果が得られます。
 また、クリーム剤(毎朝陰嚢に塗布)は、注射剤よりも生理的であり、欧米ではクリーム剤を好む患者が増えていますが、我が国では保険適応外です。


男性ホルモン(テストステロン))投与の副作用

①多血症 …テストステロンは造血を促し、テストステロンの欠乏は貧血の原因となります。反対にテストステロン補充は多血症の原因となり、血液粘稠度が増して心血管疾患・静脈炎の原因となりえるので、採血でHt>50%の場合はテストステロンを減量します。

②睡眠時無呼吸症候群 …睡眠時無呼吸のリスクの高い症例では、無呼吸低呼吸の頻度を増す可能性があります(これに関しては相反するdataあり)。

➂ざ瘡(ニキビ)、多毛、性欲の亢進など。


 諸症状に関係しやすい栄養素を内服することもお勧めしています。
 漢方薬が有効であることも多いので、併用も考慮します。



●治療効果の評価

当初はHRTして1か月後、その後は3~4か月ごとに採血し、

その都度治療効果を問診で評価します。TRTはおよそ1年継続してその後は経過観察となります。

 

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